『嫌われ松子の一生』不運すぎる男性遍歴の果て、思うは故郷・筑後川

フクオカ☆シネマペディア(50)

 中谷美紀演じる主人公、川尻松子は、筑後川の下流域にある大野島(福岡県大川市)で生まれ育つ。地元で中学教師になった松子は修学旅行先のトラブルをきっかけに失職し、男性遍歴を重ねる流転の人生に踏み込んでいく。福岡出身の中島哲也が監督した「嫌われ松子の一生」(2006年)。その時々の男を惜しみなく愛すが、例外なく裏切られ、行き違いを繰り返す松子の痛くて、悲しくて、寂しくて、しかし、限りなくエネルギッシュで人間らしい一代記である。

 「私を見て」「私を愛して」という松子の根源的な欲望の根っこは、病気の妹ばかりをかまう父親に振り向いてほしくて「よい子」になろうとした少女期に育まれた。よく勉強した。教師になったのも父親が望むだろうと選んだ道だ。

 妹を案じて常に憂鬱(ゆううつ)な父親を笑わせようと、ピエロの変な顔をまねてよくおどけた。相手の気を引くためには努力を惜しまない性格はけなげだ。でも、時にその場しのぎで、的外れで、おっちょこちょいな振る舞いになる。教師をやめるきっかけとなった修学旅行では、窃盗を疑われた生徒をかばうつもりが、こじれておかしなことになってしまった。

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