宙に浮く福岡「緊急事態」 悪化の一途…政府に要請1週間余

 新型コロナウイルスの対策を巡り、菅義偉首相は13日、西村康稔経済再生担当相や田村憲久厚生労働相ら関係閣僚を官邸に呼び、重症者に対する医療提供体制の強化や、商業施設などへの人出抑制策を指示した。福岡県が5日に緊急事態宣言の発出を政府に要請して1週間余。会合終了後、記者団の取材に応じた菅首相はその対応について言及することはなく、要請は宙に浮いたままだ。

 福岡県には「まん延防止等重点措置」が2日に適用されたばかりだったが、感染力の強い「デルタ株」の影響で感染が拡大。5日に宣言対象地域に加えるよう要請した。その後も急拡大を続け、12日には新規の感染確認が初めて千人を突破。13日も951人となり、5日時点で36%だった病床使用率は、既にステージ4(爆発的感染拡大)相当の「50%以上」に達している。

 だが、この日の関係閣僚の会合では、福岡県などへの宣言発出に踏み込むことはなかった。会合を終えた首相は「各地で過去最大の感染者数が続いている。国民の生命を守ることが政府の最大の責務だ」との認識を示し、国民には帰省や旅行、不要不急の外出を控えるよう呼び掛けた。

 また、受け入れる病床がなく、自宅で待機や療養するうちに亡くなるケースもあることから、首相は「自宅にいる患者と必ず連絡が取れるような態勢にする」と表明。自宅療養中の患者に対し、酸素投与を可能とする酸素ステーションの態勢を構築する考えも示した。ワクチン接種については「10月初旬には全国民の8割に打てる態勢をつくっている。全力で取り組みたい」と述べた。

 一方で、全国知事会は13日、「個別の都道府県や自治体のコントロールが困難な局面」と危機感を強調する緊急声明を発表。宣言発出などに関しては「現場の実情を踏まえて発動を求める各知事の要請に即座に対応するなど、スピード感をもって運用」することを求め、政府の対策が「功を奏しているとは言いがたい」と批判した。

 福岡県などへの宣言拡大を巡る議論は週明けにも本格化する見込みで、対象地域を広げ、期間を延長することは避けられない情勢とみられている。県幹部は「感染力の強いデルタ株の影響を予測して先手を打って要請した。人の移動や会食の機会が増えるお盆前には、方針を示してほしかった」と話した。 (河合仁志、井崎圭、黒石規之)

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