夢を背負い畳に立つ パラ柔道男子・瀬戸勇次郎

Tokyoパラで克(か)つ 24日開幕㊤

 自国開催の大舞台に胸を張って挑む。柔道男子66キロ級で初出場する瀬戸勇次郎は「自国でパラリンピックができるのは一生に一度あるか。多くの方に見てもらいたい」と意気込んだ。

 福岡県糸島市出身。先天性の弱視ながら4歳から柔道を始め、健常者とともに競った。修猷館高時代に金鷲旗高校柔道大会(西日本新聞社共催)に出場。活躍が関係者の目に留まってパラ柔道を勧められると「得意技」という背負い投げに磨きをかけた。

 組んだ状態から始まるパラ柔道について「相手がすごく近いので、自分が投げるチャンスもあるが、返されそうなやりづらさもある。ずっと相手を持つので、腕が疲れる」と語る。

 同階級では、1996年アトランタ大会からパラリンピック3連覇を達成し、2016年リオデジャネイロ大会まで5大会連続出場した実績を持つ藤本聡がいた。17年の初対戦では力の差を見せられたが、18、19年には決勝で藤本を破って全日本視覚障害者大会を連覇し、代表に近づいた。経験豊富なベテランとの競争を制し、世代交代を印象づけた。

 福岡教大では、女子52キロ級で96年アトランタ五輪銅メダル、00年シドニー五輪銀メダルを獲得した楢崎教子監督の指導を受け、成長を遂げた。楢崎監督は「体のばねがあり、力があるのにしなやか」と、その素質を高く評価する。

 瀬戸の将来の夢は特別支援学校の教員。練習の合間には教育実習も経験した。「障害に関係なくスポーツを楽しめることを子どもたちに伝えたい」。大舞台での経験の伝道師へ。パラスポーツの持つ魅力を伝えるためにも、東京の畳で歓喜に浸りたい。

 (松田達也)

 パラ柔道 視覚障害者が対象。障害の程度ではなく体重別にクラスが分かれ、男子7階級、女子6階級が行われる。両選手が組んだ状態で試合が始まり、両手が離れると「待て」がかかる。試合は4分。

 東京パラリンピックは24日に開会式を迎える。大会に初出場する九州ゆかりの注目選手を紹介する。

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