あの日の春秋:これぞ本当のファインプレーだ(2013年8月17日)

新聞の古い切り抜きを整理していたら甲子園の高校野球の記事が出てきた。1991(平成3)年春の優勝戦での「ファインプレー」について書かれている▼いつの時代も高校野球にはファインプレーがたくさん出てくる。白球を追う懸命さがそうさせる。今開催中の甲子園の中継を見ていてもそう思う▼91年春の優勝戦は広陵(広島)がサヨナラ勝ちした。最後は飛球が松商学園(長野)の右翼手の頭上を越えた。両校選手が本塁前に整列して礼をし、「ゲームセット」を宣しながら永野もとはる球審は「これぞ本当のファインプレーだな」と思った▼遅れて整列した選手がひとりいた。中堅手だ。転々としたボールを拾いに行っていた。礼をしたあと彼が広陵の主将に「これが優勝を決めたボールだよ」とそっと渡すのを永野球審は見ていた▼2000年3月の毎日新聞の連載「審判ものがたり」の中から紹介している。永野さんは大会後、新しいボールを添えて松商学園の監督に手紙を送った。「冷静で味のある行動を見て、すがすがしさを感じました」。監督は手紙で初めて知った▼中堅手が高校、大学を経て就職し、1999年に結婚した時、監督が式でその話を披露すると大きな拍手がわいたそうだ。中堅手は誰にも話していなかった。「それほど意識していなかったから」という。永野さんは「さりげないプレーにこそ高校野球のすばらしさがある」と話している。(2013年8月17日)

 特別論説委員から 新型コロナ禍で迎えた今夏の甲子園は、応援の人数を減らしてブラスバンドの演奏も認められた。初出場の東明館高(佐賀県)を応援したのは地元の尼崎小田高マーチングブラスバンド部だった。コロナの影響などで東明館高の生徒は甲子園での演奏が困難に。試合が迫る中、つてをたどって依頼した尼崎小田高が代役を快諾してくれた。東明館高は惜しくも敗れたが、直前まで練習を重ねたという演奏は選手の力になったろう。グラウンドの外にもファインプレーが。(2021年8月22日)

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