15年…遠い飲酒運転ゼロ 3児死亡事故「風化させない」誓う市民

 事故を風化させないために、身近なこととして刻もう-。福岡市東区で2006年8月、幼いきょうだい3人が犠牲になった飲酒運転事故から25日で15年を迎えた。現場の海の中道大橋などでは飲酒運転撲滅を誓う人々がいた一方、記憶の風化が懸念される。事故も減少傾向にあるとはいえ、“ゼロ”は遠い。飲酒運転事故の遺族は「誰にでも起きうる命の問題として捉えてほしい」と訴えている。

 あの日から15年の海の中道大橋。毎年早朝から供えられていた花束や菓子などは見当たらなかった。橋の上で孫3人と啓発活動を行った吉水恵介さん(65)=同区=は「風化させないために、体力の限り続けたい」と話す。

 福岡県警が昨年、飲酒運転で摘発した10~70代の100人に認知度を調査すると、約9割が「知っている」と答えた一方で、29歳以下では約5割にとどまった。千葉県八街(やちまた)市では今年6月、児童5人が死傷する事故が起きるなど悲劇は後を絶たない。1999年に当時大学3年の娘を飲酒事故で亡くした大庭茂彌(しげみ)さん(74)=福岡県糸島市=は「『またか』と思うけど、一足飛びではなく根気よく伝えるほかない」と気を引き締める。

 10年前に同県粕屋町の事故で当時16歳の長男を失った山本美也子さん(53)も「毎日が“飲酒運転撲滅の日”。たくさんの大人が本気でゼロを目指して諦めないことが大切」と語る。

 3児を供養する地蔵のある同区の妙徳寺には、近くの馬出保育所の園児14人が訪れ、きょうだいが好きだったヒマワリの花を供えた。田口美穂所長(59)は「事故が忘れ去られないように」と手を合わせた。

 福岡県警に昨年摘発された1361人中78・7%が、基準値の呼気0・15ミリグラムのアルコール分を大幅に上回る0・25ミリグラム以上が検出された。この割合は近年高止まりしており、アルコール依存症対策も課題になっている。

 九州の7県警によると、今年の飲酒事故による死亡者(6月末まで)は8人で、前年同期比で3人減少。内訳は鹿児島4人▽福岡2人▽大分、宮崎1人。事故件数も124件と前年同期に比べて14件減った。

 (田中早紀、小笠原麻結、長田健吾)

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