コロナと子ども 感染防ぎ「学びの保障」を

 新型コロナウイルス緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象がきょう、大分を除く九州6県など計33都道府県に広がる。大きな課題が、新学期を迎える子どもたちの感染対策だ。

 感染力が強い変異株のデルタ株が国内にまん延し、若い世代の感染が増えている。子どもは大人に比べ重症化しにくいとされるが、油断は禁物である。

 保護者から子どもへの家庭内感染だけでなく、教員から子ども、子どもから子ども、さらには子どもから大人への感染が懸念される。児童・生徒の保護者はワクチン接種がまだ少ない世代だけに、警戒が必要だ。

 「子どもはあまり感染しない」という思い込みを捨て、感染防止対策の強化と「学びの保障」の両立に取り組むことが教育現場の最優先事項である。

 緊急事態宣言が出ている福岡県では、福岡市が市立小中学校で時差登校を実施し、北九州市は授業時間を短縮する。熊本県は重点措置の対象地域である熊本市とその近隣の県立中高校で分散登校を行う。全国では夏休みを延長する自治体もある。

 感染状況が深刻な地域では、児童・生徒の感染リスクを抑えるためにやむを得ない措置と言えよう。課題プリントの配布やオンライン指導などで、学習の遅れを最小限に抑えたい。各学校で知恵の絞りどころだ。

 過去に全国で実施された長期休校の影響は学習の遅れにとどまらなかった。子どもは孤独感やストレスに悩み、共働き家庭やひとり親家庭は日中の子どもの世話に苦労した。仕事を辞めざるを得なかった人もいる。

 文部科学省は地域全体の一斉休校は避ける方針だが、感染状況により休校や学年・学級単位の休業が妥当なケースはある。その影響は家庭に及ぶ。混乱を防ぐため、文科省は休校などを判断する際の指標となるガイドラインを早急に示すべきだ。

 政府は感染の有無を調べる抗原検査キットの配布対象を高校から小中学校や幼稚園などにも広げる。子どもの体調のチェックを小まめに行い、教室内の換気、マスク着用といった基本的な感染対策を徹底したい。

 体育系の部活動では、体が密着するような練習は避け、基礎体力の向上に切り替える工夫も求められよう。

 厚生労働省などによると、昨年は小中高校生の自殺が過去最多の499人に上り、今年上半期はその昨年よりも増えているという。憂慮すべき傾向だ。

 若い世代への感染リスクの高まりは、子どもたちにとって新たなストレスとなる。教職員は長引くコロナ禍が子どもの心に与える影響についても、きめ細かく目を配ってほしい。

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