血と汗と涙 戦乱の物語「キングダム展-信-」福岡市美術館で来月26日まで

 すーっと物語の中に吸い込まれていく感覚。福岡市美術館で開催中の「キングダム展-信-」に足を踏み入れたとき、誰もがそう感じるのではないか。

 人気漫画「キングダム」の舞台は紀元前、春秋戦国時代の中国。天下の大将軍を夢見る主人公の信と、中華統一を目指す秦(しん)王・政(〓政(えいせい))を中心に多彩な登場人物が織りなすドラマを、単行本41巻までの約400点の原画でたどることができる。

【空飛ぶ】戦場を縦横に飛翔する信。壁の影までが舞っているようだ

 「空間を読んでほしい」。作者の原泰久さん=佐賀県基山町出身=は、そう語る。漫画の2次元から飛び出したキャラクターたちが、3次元の展示空間に広がって来館者の目を引きつける。頭上を飛翔(ひしょう)する信と足元に置かれた敵兵のボードを交互に見つめ、高さ約3メートルの王騎(おうき)を仰ぎ、拡大コピーされた原画の細部に目を凝らすと、大地の草いきれや、戦場のぶつかり合いや、人々の血と汗と涙が身近に感じられる。

 本展は東京会場に次ぐ2カ所目。福岡展で初公開された5作品を含むカラー原画は、漫画を超えて一幅の「絵」として向き合える。全面監修で携わった原さんは「時間をかけて見てほしい」とも言った。どんな線を組み合わせて信を描いたのか、なぜこの色をこの場所に置くのか。絵や展示作を細部までじっくり見つめ、作者と「対話」できる楽しみがある。

作者の原さんが所有する中国の歴史書「史記」も展示。キングダムに登場する人物たちの名前に線が引かれている

 会場には、キングダムの創作の基となった中国の歴史書「史記」も置かれていた。将軍たちの名前にピンクの線が引かれた、原さん所有の1冊だ。壮大な物語を支える資料にもぜひ目を通してほしい。

 (文・塩田芳久、写真・納富猛)

※〓は亡の下に口、下に月女迅のツクリを横に並べる

 キングダム展-信- 9月26日まで、福岡市中央区大濠公園の市美術館。西日本新聞社など主催。開場は午前9時半~午後5時半(金・土曜日は同8時まで)。月曜休み(9月20日は開催、同21日休み)。入場料は一般・大学生1800円(土日祝日は200円増)、中高生1000円(同)、4歳~小学生600円(同)。西日本新聞イベントサービス=092(711)5491。同館は緊急事態宣言の間、本展を除き臨時休館している。

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