バイデン大統領「国益ない戦争拒否」 アフガン撤退の正当性強調

 【ワシントン金子渡】バイデン米大統領は8月31日、アフガニスタンの駐留米軍撤退を受けて国民向けに初めて演説し「20年に及ぶ米史上最長の戦争に終止符を打った。国益がない戦争の継続は拒否する」と撤退の正当性を強調した。批判が相次ぐ民間人の退避については「歴史上どの国もなし得なかった作戦に成功した」と自賛。「大規模な軍事作戦で他国を造り変える時代は終わった」と述べ、対外関与の転換を鮮明にした。 

 バイデン氏はホワイトハウスでの演説で、アフガン戦争の目的を「二度と米国攻撃の拠点にさせないことだった」とし、2001年9月の米中枢同時テロの首謀者ウサマ・ビンラディン容疑者と国際テロ組織アルカイダを掃討した「10年以上前」に達成していると主張した。大統領の義務は01年の脅威ではなく「明日からの米国を守り抜くことだ」と語った。

 今年1月の大統領就任時には、トランプ前政権がイスラム主義組織タリバンとの間で5月1日までの米軍撤退で合意しており「期限を延長して撤退するか、さらに何万人もの兵力を投入して戦争に戻る」しか選択肢がなかったとも指摘。撤退に伴う現地の混乱を批判しているトランプ氏と野党共和党を強くけん制した。

 民間人の国外退避をもっと早い時期から実施すべきだったとの批判には「同意できない」と反論。出国を希望した米国人の98%を退避させたと成果を強調した。現在もアフガン国内に残る200人未満の米国人については「退避期限はない」とし、タリバン側に自由に出国できるよう働きかける考えを示した。

 さらに、米国の利益に直結しない他国への大規模派兵は実施しない考えを表明。「達成可能な目標を設定し、米国の安全保障上の利益に明確に焦点を合わせるべきだ」と国益重視の姿勢を改めて鮮明にした。

 今後の重点課題として、中国との深刻な競争やロシアへの対応、テロやサイバー攻撃の対処を挙げ「米国の競争力を強化しなければならない」と訴えた。

 アフガンの首都カブールの空港付近で米兵13人を含む180人以上が犠牲となった自爆テロを実行した過激派組織「イスラム国」(IS)系武装勢力に対しては「(報復は)まだ終わりではない」と警告。引き続き、無人機攻撃などで掃討作戦を続ける決意を明らかにした。

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