感染対策は緻密、感じなかった3密 記者が見たパラリンピック会場

 新型コロナウイルス感染拡大の勢いが止まらない中での開催となった東京パラリンピックは残り4日。重症化リスクの大きい基礎疾患のある選手もおり、感染対策は五輪以上の目配りが求められている。競技会場を歩き、対策の実態を見た。

 東京パラは五輪同様に選手・関係者と外部との接触を避ける「バブル」方式を厳守。選手は原則、毎日PCR検査を受ける。取材する記者も4日に1度の検査を求められ、キットに唾液を採って提出している。

 会場には外部と隔てる高い壁を設置。入場時は消毒と検温の上、空港のような手荷物検査を受ける。

 8月30日、都内の5人制サッカー会場。目の見えない選手たちは、ボールを追い掛けながら頻繁にコート脇のフェンスに触れる。ハーフタイムになるや、スタッフが念入りにフェンスを消毒していく。

 1日、千葉市のゴールボール会場。試合後の選手はマスクを着け、記者と数メートル離れて取材に応じた。スタッフにICレコーダーを託しての質疑は、声が聞こえないもどかしさも。感染対策が最優先された無観客の会場で「3密」を感じることはほぼなかった。

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 東京パラでは「学校連携観戦プログラム」として児童生徒に観戦を促した。東京都は8月24日時点で2万人超が観戦すると発表したが、取りやめる学校も相次いだ。都内であった車いすラグビーの日本戦は、100人以上の子どもが観戦していた。距離を取るため、3席置きに着席。記者席からは遠くて表情は見えなかったが、日本チームが得点すると日の丸を掲げて喜んでいる。試合は日本が勝ったが、勝利の瞬間を見ないまま会場を後にするグループも目立った。時間制限があったのかもしれないが、「最後まで見せてあげればいいのに」と釈然としなかった。

 銅メダルを手にした柔道の瀬戸勇次郎(福岡教大)=福岡県糸島市出身=は「子どもたちが自分の試合を見て、柔道をやりたいと思ってくれれば」と観戦を歓迎した。一方、自転車競技が行われた静岡県では五輪から一転、パラは無観客に。金メダルの杉浦佳子(楽天ソシオビジネス)は「応援に来てくれた人に何かあったら胸が痛い。無観客でほっとした」。選手の受け止めはさまざまだった。

 最終日の5日は都内でマラソンが実施される。東京五輪でマラソンと競歩が行われた札幌市の沿道に観客が殺到したこともあり、大会組織委員会は観戦自粛の呼び掛けに必死だ。

 組織委によると、パラ関係者で1日までに判明した陽性者は累計270人に上る。これ以上増えないことを切に願いつつ、きょうも会場に向かう。 (金沢皓介、松田達也)

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