「実態はかなり密」学童保育に危機感 休校、短縮授業で負担増

 新型コロナウイルスの子どもへの感染拡大で学校現場が授業短縮などに取り組む中、共働きやひとり親家庭の小学生を預かる放課後児童クラブ(学童保育)での感染抑止が大きな課題となっている。昨年の全国一斉休校の際は多くの自治体が利用自粛を呼び掛けたが、今回はそこまでの動きはない。西日本新聞「あなたの特命取材班」には「学校は対策をしているのに、学童は密だ」と不安視する声が届いた。

 「いくら対策をしても、感染と隣り合わせだと強く感じます」。福岡県内のある学童に勤務する支援員の女性はそう訴える。

 利用する児童は約200人。一つの教室に多い日で約50人が集まる。国の施設運営基準は1人当たり1・65平方メートル以上のスペースを確保するよう求めているが「実態はかなりの密」。テーブルに取り付けた手作りのパーティションも「あってないようなもの」。将棋やオセロなど玩具は共有している。消毒は徹底しているが、不安は尽きない。

 学校では、発熱した児童のきょうだいを予防的に帰宅させる場合もある。一方で女性によると、学童には熱があっても通ってくる子がいるという。「解熱剤を飲ませて連れてきた保護者もいた」と明かす。

 児童同士や教師と接触する機会を減らすため、多くの学校が時間差登校や短縮授業を導入している。だがその分、保護者不在の児童を預かる学童保育の時間が増える「しわ寄せ」が生じている、と女性は指摘する。学童の支援員にワクチンを優先接種させる自治体もあるが、まだ打てていない。

 感染のリスクは高まり、クラスター(感染者集団)が各地で発生。北九州市の学童では8月に児童14人、支援員2人の感染を確認。その他、行政が明確に発生場所を学童と明らかにした分だけでも、8月以降に九州では熊本県で4件、大分県で2件あった。

 各施設は感染者を出さないよう換気や消毒を徹底し、おやつをやめるなど対策を強化している。福岡市内の民間学童では、飛沫(ひまつ)を飛ばし合わないよう壁に向かって食事を取るなど対応を徹底している。

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