卓球Tリーグのアスティーダ、新規参入V狙う 9日男子、10日女子開幕
卓球のノジマTリーグは9日に男子、10日に女子が開幕する。
Tリーグ女子に今季から福岡を拠点とする九州アスティーダが新規参入する。世界選手権のメダリストら実力者が多数加入しており、大分県別府市出身でキャプテンの有延優希(28)=サンリツ=は初年度から優勝を目指すと意気込んでいる。
九州アスティーダは「ONE九州」を掲げ発足。拠点は福岡だが、ここ数年のうちで九州全県でのホームゲーム開催を目指す。狙いの一つに競技の裾野を広げ、多くの子供たちに卓球選手になる夢を持ってもらうことがあるためだ。目の前で世界レベルの迫力ある試合を見てもらうことで、有延は「『私も九州アスティーダに参戦したい』という子が絶対出てくると思う」と期待する。将来的には高校世代のチーム創設も視野に入れているという。
これまで、将来有望な選手が中学卒業後、九州外の強豪高校に進学するケースが多かったという。有延も大分・明豊中を卒業後、大阪・四天王寺高に進学し、東京の実業団チームに入った。
九州アスティーダ発足後、川面創社長は有延を真っ先に勧誘した。2018年全日本選手権ダブルス3位の実力者であることに加え「地元を離れたが、最終的には九州で戦うという土壌づくりを」と期待。有延も「地元にチームができてうれしい。少しずつでも恩返しを九州の方にしていきたい」と快諾した。
東京五輪混合ダブルスで水谷隼、伊藤美誠組が金メダルに輝き、日本勢が3大会連続でメダルを獲得したことなどから、日本の卓球熱が高まっている。そのタイミングで九州に初めて、Tリーグに参戦するチームが誕生したことについて、有延は「メダルを取ったことで、いろんな人が興味を持ってくれている。これを機に九州でも卓球熱をどんどん広げていきたい」と話す。
参入初年度での優勝を狙う。「(Tリーグ)初参戦の選手が多いので、初戦が大事。そこで勝つことができたら、どんどん勢いが付いて優勝することができる」と力強く語った。 (鬼塚淳乃介)
主力は佐藤と橋本
九州アスティーダでは外国人選手を含め9選手の加入が発表されている。「戦力的には優勝も狙える」と語る川面社長に注目選手を紹介してもらった。
「2人がうちのチームの主力」としたのは佐藤瞳と橋本帆乃香(ともにミキハウス)。2019年世界選手権のダブルスで銅メダルを獲得したカットマンのコンビが、初めてTリーグに参戦する。
横井咲桜(同)は今年高校3冠を成し遂げ「今伸び盛りの選手」。今年1月の全日本選手権でも8強に入った。
出沢杏佳(専修大)は異質攻撃型。ラケットの表裏に違う種類のラバーを貼り、トリッキーな攻撃を仕掛ける。「対戦相手が嫌がる選手」で、昨年1月の全日本選手権では高校生ながら平野美宇(日本生命)に勝利した。
外国人選手の注目は17歳の韓国代表申裕斌(シン・ユビン)。威力のある両ハンド攻撃が魅力で、19年のチェコ・オープン混合ダブルスでは水谷、伊藤組を破って優勝。東京五輪にも出場した。