用水路建設再開の見通しも…「アフガン孤立させるな」ペシャワール会長

 アフガニスタンで人道支援を行う福岡市の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」が、休止中の用水路建設を近く再開する見通しになった。9日、同市内で会見した村上優会長は「最重要課題は命をつなぐ支援」とした上で、「干ばつが起きており、タリバン暫定政権への制裁などでアフガンを孤立させては惨状が待つだけだ」と危機感をあらわにした。

 情勢不安を受け、同会の支援を受けて活動する現地のNGO「PMS」(平和医療団)は8月15日に用水路建設や農業を中断。周辺の安全が確認され、9月2日に農業を再開した。用水路建設を巡っては、4日にPMSのスタッフと州政府が協議。実績を評価されたといい、暫定政権の意向を正式に確認した上で再開するという。

 ただ、課題は少なくない。経済が混乱する現地では、銀行で引き出せる金額が制限されている。アフガン人スタッフの給与や重機の燃料代の確保が難しいのが現状だ。億単位の予算が必要な用水路建設では「大きな支障になる」(村上会長)。

 混乱は、米国がアフガン中央銀行の在米資産を凍結したことなどが影響しているという。村上会長は「タリバン=悪」との受け止めを疑問視し「対立ではなく和解が必要だ」と訴えた。

 同会現地代表だった故中村哲医師の似顔絵が、首都カブールのコンクリート塀から消されたことについては「偶像崇拝を嫌うイスラム教の文化を踏まえ、さらにタリバンがとりわけ復古主義であることを考えれば、違和感はない」。中村医師を否定する意図ではないとみて「単なる文化的な違いにすぎない。善悪の判断とされることには、当の中村先生も苦笑しているだろう」と語った。

 (中原興平)

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