市民襲撃激減、発砲も大幅減…工藤会壊滅作戦、他団体にも抑止効果大

 特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)のトップらを逮捕した福岡県警の工藤会壊滅作戦の着手から11日で7年となる。同県内では、暴力団が関与したとみられる市民襲撃事件が作戦に着手した2014年9月までの約7年9カ月の間には年平均で10件程度起きていたが、同月以降の6年余りでは計2件に激減した。多発していた発砲事件も一気に沈静化した。工藤会系組員を徹底的に立件した異例の捜査が直接的な効果を上げただけでなく、ほかの暴力団に対しても抑止効果を発揮した可能性がある。

 県警が統計を取り始めた07年以降、暴力団が関与したとみられる事業者ら市民への襲撃事件は14年9月までの間に78件発生。年間で最も多い11年は17件に上った。県警が立件したのは21件。県警は地区別や暴力団ごとの件数を公表していないが、10年ごろから北九州地区では工藤会が関与したとみられる事件が相次いだ。

 これに対して14年9月以降は、16年と18年に1件ずつの計2件に減った。

 暴力団によるとみられる発砲事件は、工藤会以外の団体が抗争事件を繰り返していた時期もあり、13年までの10年間に98件に上り、最も多い04年は18件だった。しかし、14年以降の7年間は計4件にとどまっている。

 県警は14年から今年6月末までに、延べ448人の工藤会系組員を立件した。

 1998年の元漁協組合長射殺など市民襲撃4事件で、福岡地裁は8月24日、工藤会トップで総裁の野村悟被告(74)に死刑、ナンバー2で会長の田上不美夫被告(65)に無期懲役を言い渡した。このほか暴力団員の入店を禁じる「標章」を掲げた飲食店が入る北九州市のビル2棟が放火された事件や、11年に同市で建設会社役員が射殺された事件でも組幹部らを逮捕、起訴している。

 工藤会の組員は、ピークだった08年末の730人から昨年末は220人に減り、うち約半数は服役・勾留中。県警は14年から昨年までの間、計254人の工藤会系組員を離脱させた。

 県警の国本正春暴力団対策部長は「未解決事件の捜査を継続し、工藤会への加入阻止や組員の離脱支援にも力を入れる。文字通り壊滅させるまで対策は続ける」と強調した。

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