価格設定や業者選定、発注担当者に丸投げ 汚職事件の九地整事務所

 船舶のクレーン修理業務を巡り、収賄容疑で係長が逮捕された国土交通省九州地方整備局の関門航路事務所(北九州市)で、ずさんな契約が常態化していた疑いがあることが捜査関係者への取材で分かった。契約担当課が行うべき価格設定や業者選定が、事実上、発注担当者任せになっていたという。西日本新聞の取材に九地整は「正規の手続きが行われてきたはずだが、実態を調べたい」としている。

 問題になっているのは、予定価格が100万円以下の「少額随意契約」の業務。九地整によると、本来は、船舶の修理などを業者に依頼する場合、契約担当の品質管理課が、予定価格を設定した上で複数社から見積もりを取って契約する。

 捜査関係者によると、こうした業務は発注担当者に事実上、任せきりになっていた。事務所は計6隻の船舶を所有し、逮捕された係長は1隻の発注業務を担当していた。他の職員が担当する船に関しても、長年、同様にずさんな契約が続けられてきたという。

 国交省によると、契約と発注の担当部署を分けているのは、業者との癒着を防ぐ狙いがある。九州大大学院の三浦功教授(公共経済学)は「組織のチェック機能が形骸化した結果、不正の温床になったのではないか。徹底した検証が必要だ」と指摘する。

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 福岡地検小倉支部は10日、収賄容疑で逮捕された九地整係長の中島悟朗容疑者(47)を、より刑罰の重い加重収賄の罪で起訴した。書類送検されていた山口県下関市の船舶修理会社の田渕治役員(60)を贈賄罪で在宅起訴した。

 起訴状によると、中島被告は昨年11月~今年3月、田渕被告からワイヤレスイヤホンなど8点(約34万円相当)を受け取り、契約額を約100万円水増しするなどしたとされる。捜査関係者によると、中島被告は同社側から総額約1500万円相当の物品を受け取った疑いがある。 (小川勝也、笠原和香子)

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