工藤会壊滅作戦7年「暴力の街」イメージ改善半ば 市民アンケで浮き彫り

 福岡県警による特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)の壊滅作戦は11日、着手から7年を迎えた。西日本新聞は8月24日に福岡地裁が、市民襲撃4事件で殺人罪などに問われた工藤会トップで総裁の野村悟被告(74)に死刑を言い渡したことを受け、北九州市民100人にアンケートを実施した。判決を「高く評価する」「評価する」と答えた人は93人に上った一方、少数ながら直接証拠がない中で推認に推認を重ねた司法判断に否定的な声もあった。

 アンケートは2015年3月と9月、17年9月、18年9月に続いて5回目。今月7、8日に10~80代の男性46人、女性54人が対面で回答した。

 野村被告に対する判決を「高く評価する」と答えたのは48人、「評価する」は45人。「あまり評価しない」は6人、「評価しない」は1人だった。

 直接証拠がない中で、野村被告の関与を認めたのは46人が「当然の判断」と回答。「仕方がない」は50人、「理解できない」は4人だった。

 支持する理由としては「(間接)証拠を積み重ねた結果だ」(70歳主婦)、「上の命令で下の人が動くのは当然」(60代無職男性)と、上意下達が厳格な組織の特殊性に着目して野村被告の関与を認定した判決に納得する意見が聞かれた。「極刑を出さないと事件が続く」(59歳女性会社員)などと工藤会に対する厳しい意見も相次いだ。

 判決に否定的な人のうち、2人が「直接証拠がない」と指摘。「死刑そのものを評価しない」(45歳女性教職員)、「事件がよく分からない」(22歳女子大学生)との回答もあった。

 治安が「改善した」「やや改善した」の回答は前々回計60人、前回計67人と増加傾向だったが、今回はさらに増えて73人。壊滅作戦着手以降、暴力団の関与が疑われる事件が激減し、市内の刑法犯認知件数も減少傾向にあることを、市民が実感しているとみられる。

 一方で、「暴力の街」の印象が拭えたとする回答は前回の47人から3人減って44人にとどまった。「県外出身の友人から『治安が悪い』といまだに言われる」(20歳男子大学生)、「元々のイメージが悪すぎて改善に時間がかかる」(45歳パート女性)などの声があり、イメージ改善は道半ばとの認識が強いことも浮き彫りになった。

 壊滅作戦以降に「工藤会の存在を身近に感じたことがある」と答えたのは17人。暴力団を離脱した元組員が身近に住んだり、働いたりすることを「受け入れられる」のは50人だった。

 行政や警察への期待(複数回答)では「パトロール強化」と「子どもの暴排教育」がともに37人でトップ。「資金源の遮断」(28人)、「未解決事件の解決」(27人)、「組員の離脱支援」(24人)が続いた。

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