続く緊急事態 デルタ株から子ども守れ

 新型コロナウイルス緊急事態宣言が東京、大阪、福岡など19都道府県で延長された。まん延防止等重点措置も佐賀、長崎など6県は解除になったが、熊本、宮崎、鹿児島などでは延長を余儀なくされた。どちらも期間は30日までとなっている。

 全国の新規感染者数は減少傾向が続き、「第5波」はピークを越えたとの見方がある。ワクチン接種の拡大が一因ともみられる。ただ学校の新学期が始まり、今月後半は連休も控えている。人の動きの活発化が予想され、とても楽観はできない。

 感染力の強い変異株、デルタ株の拡散で、警戒を要する新たな傾向が見えてきた。子どもたちの感染の増加である。

 子どもは一般に感染しても軽症か無症状が多いとされるが、海外では重症化や死亡も報告されている。基礎疾患のある子どもの感染について、警戒を呼び掛ける意見もある。

 子どもから子ども、子どもから大人への感染も増えているのではないかという指摘もある。厚生労働省は20代以下の感染者について感染経路や病態、後遺症などのデータを積み上げ、対策を練り直すべきだ。

 子どもの感染増はとりわけ「保育」と「学び」に影響を及ぼす。厚労省によると、新型コロナ感染で全面休園している認可保育所認定こども園は9日現在、少なくとも宮崎など16都道府県の126カ所に達する。休所に追い込まれる放課後児童クラブ(学童保育)もある。

 自治体は代替できる施設と職員の確保に知恵を絞り、実現を急いでほしい。小さな子どもがいる家庭は、帰宅時の手洗い、消毒を徹底するなど家庭内感染を防ぐ努力が欠かせない。子どもが無症状でも親は入院治療が必要なこともある。自治体はこんなケースも想定し、子どもの居場所を準備すべきだろう。

 保育所や幼稚園、学校は感染症対策の拡充とともに、検温や抗原検査キットによる感染の早期発見に努めることが求められる。スポーツクラブや学習塾なども同様だと考えてほしい。

 ワクチン接種は12歳以上が対象だ。子どもへの接種に積極的な自治体もある。基礎疾患がある子どもや受験生などからは接種を待ち望む声も聞こえる。

 けれども、接種を受けるかどうかはあくまで本人が決めることだ。学校や自治体は判断に必要な情報を、子どもと保護者に丁寧に伝えてほしい。

 学校で接種が進めば、未接種の子どもへの嫌がらせやいじめなども懸念される。教職員には十分に配慮してもらいたい。

 社会全体でしっかり子どもをコロナから守る。それが社会をコロナから守ることになる。

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