「おかしい」70歳技士の直感 川に入り、古地図も調べた“土木魂”

 福岡市南区的場の那珂川で福岡県が新設した護岸壁で、完成から2年余りで見つかった工事の不備。近所の元土木業の男性(70)が発見し、自ら調査を始めたのがきっかけだった。2020年5月以降、県に3回メールして対応を求めたが、目立った動きがなく、西日本新聞「あなたの特命取材班」に今年5月、投稿した。

 男性は工事の現場監督を担う1級土木施工管理技士。公共工事に40年以上携わり、15年に引退。19年10月、散歩中に完成したばかりの護岸後背の地面のひび割れ、護岸壁の亀裂を発見。「何かおかしい」と直感したという。

 地面のひび割れは雨が降った後、約50メートルに及んでいた。護岸の排水パイプの状態を見るため、自ら川の中にも入った。護岸の傾きの影響からか、パイプが十分に機能せず、行き場を失った水がブロックの隙間から染み出している区間が約100メートルに及んだ。

 その後、情報公開請求で県が開示した工事中の写真から、護岸の後背地の造成で、軟弱な土砂層を目にした。1926年の現場付近の地図も手に入れ、工事区間が、土質の悪い埋め立て部分だと考えた。

 男性は「このような工事後の現象は見たことがなく、原因を知りたくて『土木魂』に火が付いた。税金を使うなら、きちんとした仕事をするべきだ」と話している。(水山真人)

関連記事

福岡県の天気予報

PR

PR