星と月の山

【この世ランドの眺め 文・村田喜代子 写真・毛利一枝】

 コロナ禍の世間と反対に、私は退屈と関係のない生活を送っている。私の居所は山の天辺だ。標高はそう高くはなくて二千五、六百メートルだが、切り立った岩山の天辺にいる。そこには一軒の動物病院が建っていて、私はそこの医者でも看護師でもなく、臨時雇いの案内係の娘である。

 ニューメキシコ州コロラド山脈南端の山岳部で、...

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