春吉橋そばの細い橋こそ「春吉橋」?

 福岡市の国体道路(国道202号)の一部で、天神と博多を結ぶ「春吉橋」が、本年度中に架け替え工事を終えて生まれ変わる。新しい一帯のイメージ図を見ながら、ふと疑問が湧いた。すぐそばを斜めに走る細い橋は何だろう。地元の人に尋ねると、これこそが「元祖・春吉橋」だという。一体どういうこと? 

 着々と工事が進む幅24メートルの春吉橋のすぐ隣。その5分の1ほどの細い橋を歩行者や自転車が行き交う。たもとには「中洲懸橋(かけはし)」の文字。なのに天神側の中央区春吉2丁目に住む門田昭三さん(93)は「これが昔の『春吉橋』よ」と話す。

 聞けば、工事の囲いで隠れた部分に、橋の由来を記した石碑があるという。管理する市に頼んで特別に見せてもらった。

 石碑によると、「春吉橋」が初めて架けられたのは江戸中期の1687年。幾度も改修や架け替えを重ねてきたが、1961年、福岡市で国体道路が整備されるのを機に、国体道路沿いに新しい「春吉橋」が建設された。すぐ隣とあって、元祖・春吉橋は取り壊されるはずだったが、「地元の人たちが生活に必要やから残しとこうと反対した」と門田さんは振り返る。

 新しい橋と区別するために付けられた名は「中洲懸橋」。安全な歩道橋として生き永らえるのと同時に、元祖・春吉橋はその名を失ったのだった。

 ところが-。...

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