沖縄戦で大破の仁王像復元 10月19日から九博で展示

 沖縄県立博物館・美術館(那覇市)は、琉球王家の菩提(ぼだい)寺・円覚寺に置かれ、沖縄戦で大破した室町時代の仁王像を模造復元した。戦災や近代化に伴って消失・破損した琉球王国の文化遺産を再興する事業の一環で、6年かけて完成した。10月19日から九州国立博物館(福岡県太宰府市)で初めて展示される。

 仁王像は1494年、那覇市の首里城そばに完成した円覚寺の総門に安置された。1933年、国宝に指定された寺とともに仁王像も人々に親しまれたが、45年の沖縄戦で大破。腕や胴体など13パーツだけが残った。

 県立博物館・美術館は2015年度から王国ゆかりの絵画や木彫など8分野65作品を、制作当時の技法と材料で忠実に復元する事業を始めた。仁王像は「院派」と呼ばれた本土の仏師が室町時代に日本本土で制作し、琉球にもたらされたという。カヤ材で復元された阿吽(あうん)一対の2体(高さ2・5メートル)は、当時の文化交流を知るシンボルと位置付けられた。

 田名(だな)真之館長は「九州の地で琉球文化の粋を見て、琉球王国への認識を深めてほしい」と話す。九博の展示は12月12日まで。仁王像など約100点を紹介する。

 (那覇駐在・野村創)

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