台風一過、晴れぬ観光地「限界近い」 緊急宣言・まん延防止下のシルバーウイーク

 九州各地で台風一過の秋晴れが広がったシルバーウイーク初日の18日。新型コロナウイルスの感染拡大で福岡に緊急事態宣言、熊本、宮崎、鹿児島の3県にまん延防止等重点措置が出されており、ワクチン接種を理由に遠出する人もいた一方、観光地の人出はまばら。「もう限界が近い」。観光業に従事する人からは切実な声も漏れた。

 熊本市中央区の旅館「松屋本館」のロビーは、3連休初日にもかかわらずがらんとしていた。連休中の予約はわずか10組。酒類提供の自粛要請が継続中で恒例のビアガーデンも中止している。「今月は過去最低の売り上げになりそう」とおかみの西上真理子さん(52)は肩を落とす。

 ゴールデンウイーク、夏休みに続く書き入れ時の重点措置。予約がない日は休業し、テークアウトの料理を受注してしのぐという。西上さんは「人件費や設備費などを考えれば割に合わない。正直、限界が近い」と訴える。

 「2回目のワクチン接種が終わったので来た。感染に気を付けて観光したい」。関西から長崎市の観光施設「出島和蘭商館跡」(国指定史跡)を訪れていた60代女性は、こう話した。市の重点措置は13日に解除。午後3時までに関東や関西などから約300人が来場したものの、「7月下旬の連休に比べればまだ少ない」(担当者)。当面は営業時間を2時間短縮するという。

 ワクチン接種に加え、感染拡大のピークが過ぎたと考え遠出した人も。広島市の60代男性は、福岡市に住む長女に2年ぶりに会うためJR博多駅に降り立った。「娘の顔を直接見たい。この機会を逃せば、また感染が拡大して難しくなるかもしれない」。親子でも会うのは昼間だけ。夜は夫婦でホテルに泊まるという。

 大分県は九州で唯一、重点措置が出されなかったが、飲食店の営業時間短縮など県独自の要請が継続している。別府温泉の最寄りのJR別府駅周辺は日中閑散としていた。タクシー運転手の男性は「連休とは思えない。行楽シーズン本番までになんとかならないか」とため息をついた。

 レジャー施設「別府ラクテンチ」(別府市)は、来場者が遊具を利用するたびに持ち手や座席を消毒するなど対策を徹底している。それでも、「福岡に緊急事態宣言が出た8月から外出を控えるムードが広がり来場者は減っている」(西貴之社長)。

 政府がワクチン接種が進んだ先に行動制限緩和策を検討していても、観光業では先行きの不安は拭えない。「『Go To トラベル』を再開するなど支援策があればいいけど…」。西社長は期待を寄せた。

 (西村百合恵、丹村智子、山本敦文、華山哲幸)

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