どこかに「帰りたい」思い 豊島ミホ『日傘のお兄さん』

酒井信さん寄稿

 近代的な大都市で発展を遂げた小説という文学の一形式は「故郷喪失の形式」を有していると、ハンガリーの哲学者ジョルジュ・ルカーチは考えた。秋田県湯沢市出身の豊島ミホは、都会で生きる人々が抱える「故郷喪失」の感情に敏感な作家である。「私はいつも、どこかに帰りたい。たったひとつの自分の家に...

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