「災害時に守りたい、君たちの命」全国初の常設ペットシェルターを訪ねて【動画】

 災害で行き場を失った犬や猫を預かる九州災害時動物救援センター(大分県九重町)が今年6月、開所5年を迎えた。全国初の常設ペットシェルターで、2016年の熊本地震では計約80匹を受け入れた。近年、集中豪雨など災害が多発する一方、新型コロナ禍によりペットの飼育は増えている。20~26日は動物愛護週間。非常時、動物を守るために何ができるか。施設を訪ね、話を聞いた。

 大分道九重インターチェンジから車で約30分。豊かな自然の中に犬舎やドッグランが並ぶ。「足腰が弱った犬がここで暮らして、走れるようになった例もある」。副センター長で獣医師の船津敏弘さん(64)=福岡県行橋市=が、犬と散歩しながら教えてくれた。

 船津さんは11年7月、東日本大震災による福島第1原発事故の立ち入り禁止区域で保護活動に参加。熊本地震でもペットや飼い主のケアに当たった。施設では開所当初から預かった犬と猫を診療し、現在も月2回通う。

 施設は一般社団法人九州動物福祉協会(福岡市)が運営し、ピーク時は最大約40匹を保護。九州・山口各県から獣医師が集い、スタッフやボランティアが毎日食事や散歩の世話をし、寝たきりの動物には24時間介護に当たってきた。

 飼い主も被災者であり生活の再建はままならず、預かる期間も長期化した。飼い主と動物の絆を保つため、会員制交流サイト(SNS)での情報発信や施設訪問のバスツアーを企画するなど工夫を重ねた結果、9割が帰宅を果たした。初期からの常勤スタッフ赤峰直さん(30)は「動物たちを無事に飼い主の元へ返すことを第一にやってきた」と振り返る。

 5年間で見えた課題はある。「そもそも災害時や非常時のことまでは想定できていない飼い主も多いと感じた」と指摘するのは、同協会の林泰輔事務局長。予防接種や自治体への登録をしていない動物も多く目にしてきたといい、「普段からペットを大切にできない人が、災害時にその命を守れるだろうか。家族として一生飼い続ける責任を持っていただきたい」。

 船津さんも「適切な食事と運動で病気を予防し、災害時を想定した疑似体験など準備が必要。ペットの性格を普段と違う状況で観察することで避難計画も立てやすくなる」と指摘し、「ペットの命や今後の生活のため、普段から備えてみませんか」と呼び掛けた。

(写真・文 穴井友梨)

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