「めんどくさがり」一念発起…夫婦でヘアドネーション 3人の子も活動に関心

 病気などで髪を失った子どもたちに医療用ウィッグ(かつら)を贈るため髪を寄付する活動「ヘアドネーション」。福岡県飯塚市花瀬の大村和弘さん(41)と華奈さん(39)は、夫婦で髪を伸ばし続け、20日、市内の美容室で寄付用に髪を切った。華奈さんは「夫婦で挑戦したことで、息子や娘と活動の背景に闘病する子どもがいることなどを話せた。家族にとって良い体験になった」と語った。

 きっかけは和弘さんがSNSでヘアドネーションを知ったこと。「めんどくさがり」という和弘さんは、数年間散髪しておらず、髪は結べるほどの長さになっていた。ただ、ウィッグ用に寄付するには最低31センチが必要とされており、「人の役に立つのなら」と、そのまま伸ばし続けることを決めた。

 和弘さんが髪を伸ばす理由を、華奈さんが知ったのは昨年春ごろ。国内では新型コロナウイルス感染拡大で初めて緊急事態宣言が出され、保育士として勤める職場も休みになっていた。「『今は何もできない』と思っていたけれど、誰かの力になれる」と華奈さんも寄付することにした。

 なぜ髪を伸ばしているのか、中1~小1の3人のわが子に話してみると、興味を持ち活動について調べるように。また、和弘さんの長髪を例に挙げ「髪の長さもそうだけれど、『男だから、女だからこうしないといけない』ということはないんだよ」と伝えると、真剣に聞いてくれた。風呂上がりには子どもたちが乾かすのを手伝ってくれるようになり、末っ子の娘は自分も寄付しようと髪を伸ばしだした。夫婦が髪を切る日の朝には、中1の長男に声をかけられ、記念の家族写真を撮ってもらった。

 2人は同市の美容室「ハイランド」でカット。オーナーの上野恭平さんは、男性のヘアドネーション対応は初めてといい、「夫婦で寄付するのは珍しいのでは」と話す。寄付用に束ねた髪は、華奈さんは約30センチ、和弘さんは40センチほどの長さになり、上野さんの勧めで夫婦は互いの髪を切った。

 短髪になり、すっきりとした様子の和弘さん。「乾かすのが楽になる」と笑顔を見せる一方、「育ててきた子と別れるような寂しさもある」。華奈さんは「渡す実感が湧いてきた。必要な人に届き、役に立てるとうれしい」と話した。

 (長美咲)

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