【動画】使命は応援「ガンバ李α」 コロナで生まれたヒーローの願い

 長引くコロナ禍に心が疲れたあなたを応援します-。福岡県粕屋町を“基地”に、誰かを応援することを使命とする人がいる。応援ヒーロー「ガンバ李(がんばりー)α」。変身するのは、着ぐるみに入って演技するスーツアクターとして35年のキャリアがある吉田和宏さん(51)。清掃活動や高齢者慰問、献血会場などいろんな場所を駆け回っている。

 「さあ、くじを引いてみよう。あー1等賞だ、おめでとう!」。敬老の日の20日、粕屋町にある農産物直売所「なのみの里」のイベント。旬の果物が当たる抽選会で、当選した子どもと一緒に大喜びするガンバ李αがいた。名前は敬愛するブルース・リーと、博多弁の励まし言葉「頑張りい」を掛けた。

 高校時代のヒーローショーのアルバイトからアクションの道に入った。ゴジラと闘う大怪獣、変身ヒーロー、忍者…。1995年のユニバーシアード福岡大会ではマスコットの「カパプー」も演じた。

 後進を育てながら裏方に回ろうと考えていた昨春、コロナ禍でイベントが軒並み消え、ヒーローショーの仕事もなくなった。モヤモヤする気持ちを振り払うため、「フリーであちこち動き回れるヒーローになろう」と衣装を手作りした。デビューは、東平尾公園(福岡市博多区)でのごみ拾い。会員制交流サイト(SNS)で活動を発信し、地域行事の手伝いなどの声が掛かるようになった。ヒーローを続けるためにアルバイトにも汗を流す。

 吉田さんは3人の男の子の父で、次男の守李(しゅり)ちゃん(6)は生まれつき聴覚障害がある。見た目では障害が分かりづらいため理解してもらえず、つらい思いをすることがある。

 右の拳を突き上げ、「応援ヒーロー ガンバ李!」と叫ぶ決めポーズの前には、衣装の中から1枚のカードを取り出し、前に掲げる。「耳が聞こえません」「筆談でお願いします」。障害者が「こんな手助けをしてほしい」と意思表示をする「ヘルプカード」の普及をライフワークにしており、ミニ講義もする。

 障害者や性的少数者(LGBTQなど)、コロナ感染者への差別…。傷ついていても声を上げられない人に「大丈夫?」と声を掛け合える社会にしたい。それがガンバ李αの願いだ。

 (今井知可子)

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