PCB処理、北九州市に2年延長要請 小泉環境相が陳謝

 人体に有害な規制化学物質のポリ塩化ビフェニール(PCB)を高濃度に含む廃棄物を巡り、環境省は22日、北九州市の施設で進めている処理の期限を、2024年3月末まで2年先延ばしする方針を発表した。企業などで保管する廃棄物が新たに見つかり、無害化するための処理が必要な量が想定よりも増えた。

 小泉進次郎環境相が同日、同市で北橋健治市長と面会し、22年3月末に処理を完了する約束を守れないことを陳謝した上で「心苦しいが、早期の処理完了を目指すために協力が必要だ」と要請した。北橋氏は「このような状況は、誠に遺憾だ。安易に受け入れることはできない」と述べ、市民の理解を得るための地元説明会の開催を求めた。

 廃棄物の処理は、国全額出資法人の「中間貯蔵・環境安全事業」(JESCO)が担い、全国5カ所に処理施設がある。04年末に全国に先駆けて稼働した北九州事業所(同市若松区)では、当初は16年7月に処理を終了する計画だったが、廃棄物の増加で期限を延長した。変圧器やコンデンサーの処理は期限内に終えたが、照明器具に使われた安定器などは22年3月末に処理が間に合わない見込みとなった。

 PCBは電気機器の絶縁油などに使われていたが、1968年の食品公害「カネミ油症事件」の原因物質になり、72年に製造中止となった。全国でこれまで変圧器やコンデンサーの処理は90%以上終えたが、安定器などは約75%にとどまる。環境省は今後も廃棄物が見つかる可能性も考慮し、5カ所の処理の期限を先延ばしする方針をまとめた。(山下真、岩谷瞬、白波宏野)

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