中国で「日本一周」動画配信 北京の旅行社、収束後の日本旅行期待 

 【北京・坂本信博】新型コロナウイルス禍で日中の往来制限が続く中、収束後を見据えて中国人に会員制交流サイト(SNS)で日本の魅力を発信し続ける旅行会社が北京にある。昨秋以降、北海道を皮切りに47都道府県を北から南へ週替わりで特集。月水金曜の夜に、観光や留学、物産の情報をPR動画も交えてライブ配信してきた。8月下旬から九州編が始まっており、「日本一周の旅」がまもなくゴールを迎える。

 「鹿児島県は九州南端の焼酎王国です」。13日午後8時、通信アプリ「微信(ウィーチャット)」で配信が始まった。北京卓越假期国際旅行社の社屋から経営者の馬松亭さん(60)が生出演。島津家や明治維新の歴史、京セラをはじめ著名な日本企業との関係、自然の美しさや温泉の魅力を中国語で約1時間紹介すると、2千人超の視聴者から「初めて知った。行ってみたい」といったコメントや質問が続々と届いた。

 15日は鹿児島県内の大学や留学の状況を紹介。17日は観光名所と焼酎の魅力をテーマに番組を配信した。

 馬さんの会社は日本観光が専門。クルーズ船旅行や中国企業関係者の日本視察の仲介で業績を伸ばしてきた。中国では日本観光がブームとなり2019年は約960万人が来日したが、コロナ禍で往来がストップ。苦境に追い込まれた馬さんは昨年10月、「観光往来の停止は1年続くだろう。その先を見越して顧客をつなぎとめよう」と考え、ライブ配信を開始した。

 日本の自治体の公式サイトで情報を集めたり、中国に駐在する自治体職員に出演してもらったりして、スマートフォンで中国全土に配信。「鹿児島編」では鹿児島県上海事務所(豊川善規所長)がPR動画を提供した。

 多い日は約3千人の顧客がリアルタイムで視聴するほか、過去に配信した動画もすべて視聴可能。馬さんは物販会社も営んでおり、視聴者がネット通販で日本各地の物産を買える仕掛けも盛り込んでいる。

 既に大分と宮崎の週は終了。今週は長崎県を特集しており、来週以降は佐賀、福岡、熊本と展開する計画だ。「クルーズ船で九州を訪れた中国人は多いが、上陸時間が限られるため、福岡、熊本、長崎の3市内が中心。知られていない名所がまだたくさんある」と馬さん。

 中国国内のアンケートでは「コロナ収束後に行きたい海外旅行先」のトップに日本が挙がる。馬さんの元にも「いつ日本に行けるか」といった反響が寄せられており、手応えは上々だ。

 唯一の誤算は、中国国内では抑え込みにほぼ成功してきたコロナが、日本で今なお猛威をふるっていること。観光往来再開のめどは立っていないが、馬さんはめげない。「来年の秋には収束していると信じて、日本をもう1周します」。2周目は顧客の反響も踏まえて九州・日本の観光地を絞り込み、週替わりで詳しく紹介していくつもりだ。

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