『空白』 誰も悪くないのに悲劇が増幅

 正義とは何か、善悪とは何か、を考えさせられる映画。登場人物それぞれがリアルで存在感があり、俳優の演技力を十分に引き出している。吉田恵輔監督が脚本も手掛けた。

 小さな町で漁業に携わる添田充(古田新太)は、中学生の娘の花音(伊東蒼)と2人暮らし。別れた元妻は、再婚相手との子を妊娠中だった。漁船の上でも、家庭でも充は怒鳴る。花音は充に、学校のことで相談しようとするが、充は聞かなかった。

 ある日、スーパーで花音が化粧品を手に取っていたのを、店長の青柳(松坂桃李)が万引として取り押さえた。花音は外に逃走し、道路に飛び出して車にひかれ、亡くなった。充は「娘が万引するはずがない」と青柳を厳しく責める。さらに中学校にも押し掛けて「いじめがあったんじゃないか」と教師に詰め寄る。...

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