HKT48田中美久、20歳の『意志』 「自立した女性に」「先頭突っ走る」

Fの推しごと~2021年9月

 9月12日に20歳の誕生日を迎え、1st写真集「1/2少女」を発売したHKT48チームHの田中美久(熊本県出身)。地元で撮影した作品はオリコン週間ランキングで1位となり、発売から3日で2回目の重版が決まった。25日にはソロ公演も成功させた。2013年に3期生最年少として加入し、今やグループのエースの一角を占める。単独オンラインインタビュー(9月10日取材)を通し、これまでの活動を振り返り、未来を見据えた。

 「10代のうちに目標がかなえられたので、うれしかったです」

 画面の向こうでほほ笑んだ。口調こそ元気いっぱいだが紡ぎ出す言葉によどみはなく、落ち着きが感じられる。ファースト写真集の「1/2少女」というタイトル通り、大人っぽさと子どもらしさが共存していた。

写真集の1カット(撮影/細居幸次郎)

 念願だった写真集は6月ごろ、ほぼ丸々4日間を費やし地元・熊本県で撮影。「もしも写真集を出せたら」と書き残していたメモをもとに、自ら多くの案を出したという。

 どんなに大人っぽいカットがあっても、「ありのままで身近に」を心掛けたという。「あまり遠い存在になるのは美久のファンは嫌だろうなって」。きれいでかっこいいをメインにするより、隣にいるような「素の自分」を意識した。秋元康総合プロデューサー命名のタイトルにも「20歳になる今の自分だからこそつけられるタイトルだなって思う」と笑顔を見せる。

プレッシャー「みんなと分け合いながら」

 2013年11月、12歳で3期生としてHKTに加入した。同い年で背格好も似ている矢吹奈子とのコンビ「なこみく」はデビュー当初から注目を集め、ファンのみならず同業のアイドルたちも「奇跡」と呼び、名コンビとしてアイドル史にその存在を刻んだ。

 18年5月、矢吹とともに11枚目シングル「早送りカレンダー」のセンターに選ばれた。加入から4年半。「ちゃんといろんな経験をしてからダブルセンターになれたので、気持ち的にもお互い楽だったんじゃないかな」。グループの最前線に盟友と並び立つ姿は、ファンから「遅すぎるくらい」と言われるほど待ち望まれていた。

 だが、ここから自身とグループを巡る状況は一変していく。

 エースとしてHKTを引っ張ってきた1期生の兒玉遥が休養。宮脇咲良と盟友・矢吹は日韓合同グループ「IZ*ONE」に専任することになった。さらに12月には大黒柱の指原莉乃が卒業を発表した。

 いや応なしに、ファンや一部のメンバーからグループのフロントに立つ存在として期待する声が上がった。

 「すっごく不安。『前に立たなきゃいけない』っていう気持ちも出てこないくらい、どうしようって気持ちでした」

 だが、指原や他の先輩から「頑張って」と声をかけられ「自分がやらなきゃ」と奮い立った。センター経験者の田島芽瑠からは「背負いすぎないで」という言葉をもらった。「みんなと分け合いながらやってこられた」と感謝する。

「意志」の田中美久

 19年1月、福岡市の博多座で開かれたコンサートには、3期生を中心とした若手メンバーのみが出演した。指原の卒業発表後、初めての大きなステージだった。中心に立つ美久の視線、パフォーマンスから、ひしひしと覚悟が伝わった。

 「ちょっとでも気を抜くと折れそうな状況」の中、背中を見せ続けてくれた先輩たちの姿を思い、自身もそうありたいとステップを踏んだ。「今、成長していく期間。頑張らないと」

 同年4月、指原が参加した最後のシングル「意志」がリリースされた。卒業後は美久と松岡はながダブルセンターになった。7月から始まったコンサートツアーでは、いつにも増して鬼気迫る表情を見せた。

 「『意志』は特別でした。変わらなきゃっていう思いがあった。そのときの感情が『意志』(の歌詞)だったから、気持ちも込めやすかった」。多感な17歳は意識も、HKTでの立ち位置も変えていった。

「自分を褒めたいですね」

 今年5月15日、「IZ*ONE」から宮脇と矢吹が復帰した。仲間とともに新たなホーム「西日本シティ銀行 HKT48劇場」で盟友を迎え入れた。なこみく2人並んで笑顔を交わす光景は、時計の針が巻き戻されたようだった。

 盟友の渡韓から2年半が過ぎていた。「大人へと変わっていける環境だったし、成長できたと思う。濃かったと思うけど、折れて駄目になるか、さらに成長できるかのどっちかだった。メンバーや周りの方が支えてくれたから続けられた。自分を褒めたいですね」。ちゃめっ気たっぷりに笑いながら総括する。

 6月19日の宮脇の卒業コンサートは特別だった。宮脇、指原だけでなく兒玉までもがそろったステージ。「昔の自分に戻りそうでした」と振り返る。目標にした先輩たちを見つめながら「いつまでたってもお姉ちゃんだな」と貴重な瞬間をかみしめた。

25日ソロ公演では新衣装を披露

 いつか来る自身の卒業の日。「その時に、後輩たちが負担に思わないようなHKTをつくっていきたい。HKTを、新しく応援してくださる方へ広げていきたい」と未来をみつめる。

 「今後は自立した女性になりたい」と目標を語る。ソロコンサート、写真集…。一つ一つ夢をかなえながら、火の国生まれのアイドルは激動の時代をひた走る。「HKTの先頭をずっと突っ走れる存在に、顔になりたい。『HKTって田中美久ちゃんがいるところだ』って言ってもらえるような存在に。HKTの単独センターにも、1回はなれたらいいな」。田中美久、20歳の「意志」である。(古川泰裕)

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