シカ捕獲「出動」日当過払い、猟友会が報告修正怠る 福岡県の委託事業

 福岡県東部の「耶馬日田英彦山国定公園」の犬ケ岳地区でニホンジカを捕獲する県の事業を巡り、事業委託先の県猟友会(福岡市)が2018年度、対象の山林へわなを仕掛ける作業に従事していない会員を「出動」扱いとし、日当約61万円を一時的に過払いしたのに、県に出す報告書の訂正を怠っていたことが分かった。県は西日本新聞の指摘で今年9月、県猟友会に修正資料を再提出させた。

 ニホンジカは個体数の増加で生態系への悪影響が生じている。事業は県が環境省の交付金を使って民間団体に作業を委託し、「くくりわな」で捕獲するもので、犬ケ岳地区では17年度から開始。18年度は県猟友会が992万円で受託した。

 18年度の捕獲期間は7月11日~11月21日の133日間で、県猟友会京都・豊築両支部の会員約20人が原則6千円の日当でわなの設置、見回り作業などに従事した。県猟友会が19年2月に提出し、取材班が情報公開請求して開示された報告書などによると、うち1人の男性が現場作業に全133日間にわたって連続従事したとの記載があった。

 ただ実際は、この男性は31日しか現場に行っていなかった。多い人でも出動日数は60日ほどだったという。県猟友会は19年3月ごろ、関係者の指摘で事実を把握。「賃金の対象日数に誤りがあった」として19年6月、男性に日当102日分を返還させた。しかし、報告書は訂正せず放置した。

 県猟友会は「男性は作業チームの編成、日報処理などの事務処理を連日、一手に担っていた。現場への出動がなくても作業員と同じ日当になるとの認識だった」と説明。一方で、男性の事務局としての手当は1日1200円が別枠で支払われていたことが取材で分かった。県猟友会は事務局としての手当支払いは「取材を受けるまで把握していなかった」としている。

 県猟友会は現在も同じ事業を受託中だ。県自然環境課は「猟友会に悪意はなかったと認識している。報告書の一部で、事実と異なる内容があったので修正を求めた。今後も提出資料に間違いがないように指導していく」とした。

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 「あなたの特命取材班」への情報提供に基づいて取材した。

 (竹次稔)

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