急激な感染者減なぜ? 新型コロナ 危機感、ワクチン、気候…分析はできず

 政府は、19都道府県に出している新型コロナウイルス緊急事態宣言を、30日の期限で全面解除する方針だ。「第5波」の感染状況が急速に改善し、医療提供体制の負担も軽減されつつあるためだ。ただ、専門家も感染者数の大幅な減少の要因をはっきりと分析できておらず、冬場にも想定されている「第6波」への警戒を呼び掛けている。

 「感染状況は急激に下がっている。よく分からずに減っているということは、また増えてくる可能性も十分にある」。厚生労働省に新型コロナ対策を助言する専門家組織が27日に開いた会合。冒頭、田村憲久厚生労働相はこう語り、宣言解除後のリバウンドに強い警戒感を示した。

 会合で示された資料によると、26日までの1週間の全国の新規感染者は、人口10万人当たり約14人で、前週の0・49倍に低下した。最も深刻な「ステージ4」(爆発的感染拡大)の「25人以上」は沖縄県(約47人)、大阪府(約30人)のみ。16日の前回会合に続いて、前週の約半分の減少となるデータが示された。

 医療現場の負担も減っている。26日時点の病床使用率と重症者用病床使用率は、宣言が出ている19都道府県の全てで、宣言解除の目安となる50%を下回った。

 感染力の強いデルタ株が猛威を振るった「第5波」。7月中旬以降に急拡大し、8月13日以降は連日のように新規感染者数が2万人を超えた。だが、8月20日の2万5851人をピークに減少に転じ、9月26日は2129人まで落ち着いた。急速な感染拡大で自宅療養者が10万人を超え、入院できずに自宅で死亡する人も相次いだ。

 感染者が急速に減少しているのは、なぜか。

 座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は27日の記者会見で、ワクチン接種が進んで病院や高齢者施設のクラスター発生が抑えられた点や、医療逼迫(ひっぱく)の懸念が強まって人々にリスクを控える行動変容が起きた可能性、涼しくなって屋内の換気が増えたことなどを挙げた。こうした要因が複合的に合わさったが、各要因がどれぐらい寄与したのかは分析できていないという。

 脇田氏は「感染者数減少に伴う安心感や緊急事態宣言解除で、行動が活発化する懸念がある」と指摘。冬にさらに厳しい流行が起きる前提で、基本的な感染対策の徹底やワクチン接種率の向上、医療体制の整備を求めた。 (山下真)

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