総裁犬養毅、道を誤る

 あの戦争は軍部の暴走が招いた、とよくいわれる。そして軍部に付け入る隙を与えたのは政治家だったともいう。意外に思われるかもしれないがその中には、五・一五事件の凶弾に倒れ、殉難者として語られる犬養毅首相もいるのである。

 視覚的に分かりやすく解説してくれる漫画がある。「麻雀飛翔(マージャンひしょう)伝 哭(な)きの竜」など、シャープな描線で知られる能條(のうじょう)純一さんが、ビッグコミックオリジナルに連載中の「昭和天皇物語」がそれ。原作は半藤一利さんの名著「昭和史」だ。

 既に単行本となった8巻目にその場面は出てくる。1930年、昭和でいえば5年のこと。日米英などが交わした軍艦削減のロンドン海軍軍縮条約の批准を巡る国会の論議。野党の立憲政友会総裁だった犬養は、浜口雄幸首相を激しく攻撃した。作中から引用する。...

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