「岸田首相」に強気の野党、衆院選へ動き活発 与党は「ご祝儀」期待

 自民党の岸田文雄新総裁選出を受け、野党は衆院解散・総選挙へ臨戦態勢に入った。30日、共闘をリードする立憲民主の枝野幸男代表は、共産など4党首と相次いで会談。政権交代を目指して連携と攻勢を強め、4日召集の臨時国会で「岸田内閣」の政策をただす予算委員会開催を求めていくことで一致した。これに対し、自民、公明の与党は総裁選の露出効果の余勢を駆って迎え撃つ構えだ。 (郷達也、大坪拓也)

 この日午前9時から、立民の枝野氏は国会内を駆け回った。国民民主、社民、共産、れいわ新選組の順でトップ会談に臨み、その都度4回、カメラの前で内容を報告。総裁選の間、自民に「メディアジャック」され埋没したのを取り戻そうとするかのように、力を込めた。「自公政権を倒して枝野政権をつくる。政権をどう運営するかも一致できた」

 とりわけ、注目を集めたのは、共産との合意だ。

 立民中心の政権ができた場合、9月に締結した共通政策を実現する範囲で、共産が限定的に閣外から協力する-。衆院選の大勢を左右する小選挙区で、自党の候補者を降ろして一本化する選挙協力を行う際、双方がそれぞれの支持者に説明がつくよう腐心し、着地にこぎ着けた。志位和夫委員長は「画期的な内容で満足だ」と手放しで評価し、4日の首相指名選挙でも枝野氏に投票すると明言した。

 野党内には、抜群の知名度を誇る河野太郎行政改革担当相が自民のかじ取りを担う事態になれば、衆院選で無党派層の支持を束ねられてしまうと警戒する声が強かった。結局、相手は岸田氏に。「歴代で最も印象の薄い首相になる。国民には安倍、菅政権の継承者としか映らず、森友学園問題など追及材料は山ほどある」と、立民幹部は決戦へ気炎を上げる。

 ただ、立民をはじめ野党各党の支持率は低迷したままで、政権批判票の「受け皿」たり得る準備が整っていない。加えて、立民と共産の間でさえ依然として約70の小選挙区で候補者が競合し、一本化に手間取っている。国民の玉木雄一郎代表は「(政策面など)自民の幅広さに対し、野党が特定の範囲にとどまっていれば、幅広い民意を吸収できない」と話し、野党の「大きな固まり」に加わるのに否定的。選挙で弱い野党候補が並び立てば、勝機は限りなく小さくなる。

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 「猛烈な逆風は、なぎに変わった。これから追い風が吹けばいい」

 総裁選から一夜明けた30日、地元の九州に戻った自民の若手衆院議員は、岸田総裁へのバトンタッチに有権者が向ける視線の変化をこう表現した。菅義偉政権の新型コロナウイルス対応などが影を落としていた自民支持率は、総裁選の論戦を経て回復基調にあり、党内には新体制の「ご祝儀相場」で衆院選になだれ込めば「十分、戦える」とのムードが広がる。

 火種として残るのは、全国289小選挙区中、自民系候補者同士が争う10程度の選挙区。多くが、1日退任する見通しの二階俊博幹事長が率いる派閥絡みで、岸田政権が公認争いにうまく対処できなければ、出だしからつまずきかねない。

 与党・公明の幹部は、岸田氏を「丁寧な合意形成を重んじ、行動が予見できる」と評しておおむね歓迎し、タッグを組んでの選挙戦略も描きやすいとの姿勢。一方、総裁選で岸田氏が言及した、弾道ミサイルを相手国領域内で阻止する「敵基地攻撃能力」の保有検討に関しては、山口那津男代表が懸念を示している。

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