『ふがいない僕は空を見た』つまづく人を包み込む、タナダ監督の本領

フクオカ☆シネマペディア(57)

 北九州市出身のタナダユキ監督が、現代の格差社会にあって「子どもを産むこと」の意味を、年上女性との不倫恋愛に落ちる高校生らを通して問いかける「ふがいない僕は空を見た」(2012年)。彼を取り巻く人々はそれぞれ難題を抱えて、その社会と学校の人間模様はひどく深刻でひりひりと痛いが、全てを許すまなざしもあって、あたたかい。この連載でタナダ監督を取り上げるのは4作目、本領発揮の作品と言えるだろう。

 高校生の斉藤卓巳(永山絢斗)は、助産院経営の母・寿美子(原田美枝子)と2人暮らし。あるアニメイベントで、コスプレ姿の里美(田畑智子)と出会い、深い関係になる。

 実は里美は不妊に悩む既婚者で、初孫誕生を心待ちにする姑(しゅうとめ)から不妊治療や体外受精をしつこく迫られている。姑の要求は愚痴や皮肉交じりで露骨だ。コスプレ姿の里美の情事は...

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