「認証マーク?関係ない」宣言解除の夜に酔客戻る 営業時間巡り混乱も

 新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が1日、全面解除された。全国に宣言や重点措置が出ていないのは約6カ月ぶり、九州では約2カ月ぶり。福岡県の繁華街は酔客でにぎわったが、十分な対策を県が認めた「感染防止認証店」かどうかで営業時間が1時間異なるため混乱もみられた。「無視して営業する」という店もあり、制度の形骸化が懸念される。「第6波」を見据え、感染対策には課題が残りそうだ。

 空が暗くなり始めた午後6時。福岡市・天神では居酒屋を探す人の姿が目立ち始めた。大学4年の女性(22)は「やっと飲めてうれしい」と話し、友人とのれんをくぐった。

 「久しぶりに電話予約が続いている。これまできつかったのでありがたい」。居酒屋「enjoy teppan! TAMI」の店長川本康生さん(40)は認証店を示すステッカーをドアに貼って客を出迎えた。制度が始まった7月に申請し、届いたのは9月中旬。閉店の午後9時まで客でほぼ埋まり「にぎわいが戻りそう」と笑顔を見せた。

 同じく7月に申請した別の居酒屋は、県の確認作業が遅れて認証が間に合わなかった。この日、予約の電話に午後8時閉店を告げると断られるケースが続いた。店員は「対策は整えているのに不公平。1時間の差は大きい」。県内で認証を受けたのは申請した約9300店の3割にとどまる。

 認証制度は全国で進むが、解除に当たっての対応はさまざま。東京や大阪は認証店のみに酒類提供を認め、熊本県は認証店には時短営業を要請しなかった。

 福岡県では認証の有無の差は小さいため「1時間ならばれないので、午後9時まで営業する」と話す非認証店や、「時短要請が14日までなら申請しない」という店もある。

 県の担当者は「感染状況次第で時短要請の延長もあり得るし、将来は活用のあり方が変わるかもしれない。感染防止を徹底してもらう意味があるので全店が申請してほしい」と話す。

 客側の受け止め方も人それぞれ。認証を受けたなじみの店を訪れた同県久留米市の女性(57)は「おいしいだけでなく安心があるから来ようと思った」。仕事帰りに同僚と飲みに来た会社員の男性(32)は「認証マーク? あってもなくても関係ないですよ。できるだけ遅くまで飲める店に行きます」と夜の街に消えた。(平峰麻由、平山成美、森井徹)

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