駅チカ、夜間枠、プレゼント…ワクチン接種完了へ、狙うは若者

 新型コロナウイルスワクチンについて政府が10~11月の早い時期に希望者全員の接種完了を目標とする中、達成に向け九州の各自治体も「追い込み」に入っている。ターゲットは比較的接種が遅れている働く世代や若年層。駅周辺に会場を設けたり夜間枠を設けたりして、ペースを上げるべく工夫を凝らす。

 9月下旬、福岡市の高島宗一郎市長はJR博多駅に隣接する商業施設「KITTE博多」で集団接種を始めると発表。市はそれまでも小学生以下の保護者向け優先接種などを打ち出してきたが、高島市長は「これが最終形だ」と強調した。

 「最終形」とは、交通アクセスの良い場所での集団接種を指す。今月1日に運用が始まると、都心部から遠い博多港の会場から予約変更する人も。特徴的なのは、全予約者の75%を30代以下が占めていることだ。

 同市では5月以降に個別・集団接種が本格化すると、予約は次々と埋まったが、9月は一部に空きが目立った。市は「接種意思はあるが、会場への距離や時間の都合で二の足を踏んでいる」人が少なくないと分析。こうした未接種者の「背中を押す」手だてが、「追い込み」の鍵とみている。

 熊本市も駅前や街中のホテルの協力を得て集団接種を実施。8~9月に30~40代中心の2万人超が訪れたという。

 夕方以降の接種も進む。北九州市では市内10大学が連携し、月-木曜の午後6~9時、JR小倉駅前の商業施設で職域接種を実施中。学生や大学職員らのほか、市内の中高生や保護者も利用できる。接種済み約4千人の約4割が18歳以下だ。宮崎県都城市は5月から設けている夜間枠が好評で、10月は土曜の昼夜を増枠して対応している。

 大分県は、9月下旬から県の集団接種会場の当日予約を可能にした。福岡市も、博多港の会場で予約なしでも接種を受けられるようにしている。

 接種の動機づけ強化の動きも。鹿児島県は鹿児島、霧島両市で始めた大規模接種で1回目の接種を終えた人を対象に、抽選で500人に県の特産品や宿泊施設の割引券を贈る。黒豚のカツセットやさつま揚げの詰め合わせなどが準備されている。

 福岡市の2回目の接種率(対象者全体、9月30日時点)は71%。市が見据える「10月末で8割」が現実味を帯びてきた。

 (小川俊一、野間あり葉)

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