刷新感?昭和の保守? 岸田首相の所信表明をAIで分析してみた

 岸田文雄首相の所信表明演説の文言や構成からは、どんな特徴を見て取れるのか。理念を掲げるより現実路線を重視したとされる菅義偉前首相と比較しながら、人工知能(AI)で分析し、識者にも読み解いてもらった。活用したのは、ベンチャー企業「ユーザーローカル」(東京)が提供する解析システム「AIテキストマイニング」。8日の演説を昨年の菅氏の演説と比べ、使用頻度が高い名詞や形容詞などを抽出した。

 首相の演説で最も目立ったのは感染抑制や経済対策が課題となる「新型コロナ(ウイルス)」で、菅氏と同様だった。一方、首相に特有なのは「分配」「資本主義」など経済政策の転換を示す文言。痛みを伴う印象もある「改革」を多用した菅氏に対し、首相は「新しい時代」といった言葉を使い、刷新感をにじませた。

 政治とメディアの関係性を研究している東京工業大の西田亮介准教授(社会学)は「安倍晋三元首相の継承を強調した菅前首相に比べ、岸田首相の路線は違うのだ、という印象を発信しようと腐心した跡がうかがえる」と指摘。「変化を予感させる内容もある」と期待する一方、「言葉選びや構成には自民党内などへの配慮がにじみ、特段の印象はなかった」と話した。

 首相が打ち出す「成長と分配の好循環」については、「古き良きイメージの『昭和の保守』も想起させる。改革や競争重視の安倍、菅政権に慣れた国民が新鮮に受け止めるのか、逆戻りすると感じるのか注目される」と考察する。

(大坪拓也)

関連記事

PR

PR