茶髪に地毛証明⁉ 三つ編み禁止?「ブラック校則」大人こそ声を

 米国人で北九州市立大准教授(言語学)のアン・クレシーニさん=福岡県宗像市在住=が、会員制交流サイト(SNS)で不合理な校則の見直しを求める発信を続けている。きっかけは福岡県内の高校に通い始めた長女が、茶髪が地毛だと証明する写真を提出するよう求められたこと。アンさんは、人権侵害と指摘される「ブラック校則」がなくならない現状に衝撃を受け、「子どもたちの問題ではない。大人こそ声を上げなければいけない」と訴えている。

 「明らかに見た目は外国人の我(わ)が娘」

 8月22日、アンさんはツイッターの投稿にこう書き込んだ。地毛が茶髪の長女が高校で「小さい頃の写真を持ってきて」と求められたことを明かし、21世紀の日本でこんなことが起こることに「唖然(あぜん)としている」と異議を唱えた。「いいね」は2万6千件を超えた。

 投稿の前に、自身が出演するラジオ番組で高校生たちと、校則をテーマに議論した。ポニーテールは禁止。白以外のキャミソールを着用していないか「下着チェック」がある。眉間の毛をそった生徒は教員からフェルトペンで線を描かれた…。もともと校則の問題に詳しくなかったアンさんには、信じられない話が次々に飛び出した。

 高校生たちは校則が「変わらないもの」と受け止めているようだった。校則に違和感を抱いても内申点への影響を恐れて声を上げにくいことも分かった。「うちの娘だけじゃないんだ」。現状が変わるまで発信し続けようと意を決した。

 9月5日、日本人と黒人の夫婦から聞いた話をツイッターに投稿した。中学生の長女は黒人特有の縮れ毛を受け継いでいて、髪を傷めないためには8本ほどに編み込むのがいいそうだ。ただ学校は「三つ編み禁止」で、編み込みは認められなかった。

 長女の髪の写真を添えて「8本(の編み込み)ができるようになるまで、私は発信する」と憤りのコメントを書き込むと、「いいね」は5万7千件に達した。「禁止の意味が分からない」「多様性を理解していない教育者」などのコメントも殺到した。共感の輪が徐々に広がった。

 両親と学校が話し合った末、編み込みは認められたという。アンさんは「声を上げることに意味がある」と実感した。

 「ブラック校則」への批判を受け、文部科学省は6月、社会や時代の変化に合わせた校則の見直しを求める通知を都道府県教育委員会に出した。しかし校則を見直す権限は学校長にあり、現状がなかなか変わらない部分もある。

 政策提言を目的に学生や若手社会人でつくる「日本若者協議会」は9月に「校則は生徒を縛るためでなく自由や人権を保障するためにある」との前提に立った校則見直しのためのガイドライン案を作成し、注目されている。

 東京五輪・パラリンピックなどで「多様性」という言葉が繰り返し叫ばれる中、教育現場では、あくまでも日本人の外見を「標準」とする校則がなくならない。アンさんは「個性を否定するようなルールは教育の妨げにもなっている。校則問題をきっかけに、今こそ、社会全体で『多様性とは何か』を議論するべきではないか」と話している。 (白波宏野)

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