アフガン元留学生 迎え入れる支援策整えよ

 アフガニスタンでイスラム主義組織タリバンが実権を掌握して15日で2カ月になる。暫定政権発足後も国際社会の承認が進まず、経済の混乱は深刻で、タリバンの統治を恐れて国外退避を望む人が後を絶たない。

 私たちは、日本に救いの手を求める人々の存在を忘れてはならない。

 日本政府は、8月末に現地の駐留米軍が完全撤退する直前、国外退避の支援対象を約500人と見込んでいた。派遣した自衛隊機で移送できたのはごく一部だったが、支援はその後も続き、これまで300人超が出国し、日本に到着したアフガン人は168人に上る。

 その大半は、在アフガンの日本大使館や国際協力機構(JICA)事務所の現地職員やその家族である。

 こうした人々以外にも、かつて日本で学び、アフガンの中央省庁や大学に戻るなどした元留学生の訴えに耳を傾けたい。

 国外に出たくても困難なため支援を求める連絡が以前在籍した日本各地の大学関係者に届いている。そこからは、給与が数カ月も未払いで困窮していることや、外国への協力者に抑圧的なタリバン戦闘員を警戒して知人の家を転々とする様子など、現地の混乱ぶりが伝わってくるという。

 来日には身元を引き受ける人が必要で、日本側でも切実な声に応じようと動きが出ている。九州大は学内の宿舎を提供し、非常勤講師などの枠で当面、雇用する方針だ。宮崎大はミャンマーの軍事クーデターや新型コロナ禍で帰国困難となった留学生対象の支援制度を適用する。

 ただこうした動きは人道的観点から個別の教官や一部の組織が取り組んでいるにすぎない。経費も研究費などのやりくりを想定しており、長期継続は難しい。個々の善意に任せるには限界があると言わざるを得ない。

 アフガン人留学生を指導したことのある複数大学の教官らが先月、元留学生の退避協力や来日後の財政支援などを政府に働き掛けるプロジェクトを立ち上げた。事務局によれば、日本の公的支援を受けた元留学生は1400人近くに上る。帰国後は出身省庁や大学で要職に就いた人もいるという。

 彼らはアフガン再建への貢献が期待できるだけでなく、知日家で両国の懸け橋になり得る人々だ。望むのなら、日本のアフガン支援策と考え、迎え入れる態勢を整えるべきだろう。政府がまず方針を示し、関係機関や自治体と協力を進めてほしい。

 2001年に米英軍が旧タリバン政権を崩壊させた後、日本は復興支援で留学生受け入れを促進したことを思い返したい。

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