「競技生活20年のすべてを」 村上茉愛、次代につなぐ集大成

夢の架け橋 世界体操・新体操北九州大会③

 最後の演技になるかもしれない。村上茉愛(日体ク)は「東京五輪を集大成と言ってきたけど、世界体操まで目指していこうと。先のことは考えず、競技生活約20年のすべてを出す」と覚悟を持って種目別の床運動と平均台に出場する。

 東京五輪の個人総合で日本女子として過去最高の5位。種目別床運動では銅メダルを獲得して達成感に包まれたが、未練があった。「見に来てほしい人たちが五輪の会場にいなかった。無観客への戸惑いがあった」と団体予選の段違い平行棒で落下、同決勝でもバーから右手が外れ、団体でメダルを逃した悔しさが心残りになった。

 五輪後はこれまで感じたことがないほどの筋肉痛に襲われるなど競技に臨む気持ちは高まらなかった。それでも9月中旬に観客を入れて世界選手権を開催することが決まると「いろんなイメージが頭の中でできてきて、すごく前向きに体操ができるようになった」とスイッチが入った。

 17歳だった2013年、初出場した世界選手権の種目別床運動で4位入賞。高難度のシリバス(後方抱え込み2回宙返り2回ひねり)を成功させて一気に注目を浴びた。

 「あの大会で結果を残したことで世界と戦えるようになっていった。(五輪)メダリストとして恥じない演技をしたい」。今大会は不慣れな中国製の器具で、体調はまだ万全とは言えないが、逃げるつもりはない。日本女子をけん引してきたエースは「将来、自分と同じようにメダルを目指す後輩たちにいい影響を与えたい」と完全燃焼の演技で次の世代につなげる。 (末継智章)

 村上 茉愛(むらかみ・まい)1996年8月5日生まれの25歳。神奈川県相模原市出身。4歳で体操を始める。16年リオデジャネイロ五輪団体4位に貢献し、18年世界選手権個人総合で日本女子初の銀メダルを獲得した。148センチ、48キロ。

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