衆院選 公明は分配で首相と歩調

 「福祉の党」を自任する与党・公明党は、「分配」重視で政策志向が近い岸田文雄首相と歩調を合わせ、若年層支援の給付など公約の実現力を訴えていく戦術だ。自民の弱みである「政治とカネ」問題の歯止め役もアピールする一方、防衛・安全保障などを巡る主張の温度差は解消されていない。

 衆院が解散された直後の14日午後、都内で街頭演説した公明の山口那津男代表は「国民の声を聞き、謙虚な姿勢で真摯(しんし)な政権運営に努める」と力を込めた。

 これは、岸田カラーの「聞く力」を反映した連立政権合意書の一節。選挙戦では、今月で22年を迎える連立の実績と安定性を前面に出し、新型コロナウイルス対策の目玉公約である0歳から高校3年までの一律10万円給付、当選無効になった国会議員の歳費返還を可能にする歳費法改正などを掲げる。

 一方、自民が公約での書きぶりこそ抑えたとはいえ、弾道ミサイルを相手国領域内で阻止する「敵基地攻撃能力」の保有を検討していることに関しては、山口氏らに警戒感が根強い。選択的夫婦別姓も、制度化に前向きな公明と対照的に自民は慎重。それらのギャップは、野党側に批判の機会を与えそうだ。

 支持母体・創価学会員の高齢化と組織力の陰りも指摘される中、公明の目標は候補を擁立した9小選挙区の全勝と比例代表の800万票獲得。特に、自民との調整にエネルギーを費やし、斉藤鉄夫国土交通相が立つ広島3区は「円滑な政権運営に絶対落とせない戦い」(中堅議員)となる。 (大坪拓也)

関連記事

PR

PR