「調査員で判断違う」飲食店認証に不満続々 基準外の“ダメ出し”も

 新型コロナウイルスの感染状況が改善し、福岡県が飲食店に時短要請する独自措置が15日に解除された。県が飲食店の感染対策に“お墨付き”を出す認証制度で、申請が認められたのは5割強にとどまる。西日本新聞「あなたの特命取材班」には「調査員によって判断が違う」などと不満の声が続々と届く。県は感染の第6波に備え、引き続き制度を活用する考えだが、信頼されるためには質向上が待ったなしだ。

 9月上旬、福岡県久留米市のある飲食店。認証基準を満たすかを判断する調査員が訪れていた。

 調査員「食事の提供時、ゴム手袋をしてください」

 男性従業員「鉄板で料理を出すのですべる危険があります」

 約300万円を投じ、パーティションをテーブルに取り付け、空気清浄機5台に換気エアコンなども設置。札や小銭も消毒している。当然合格と思っていたが、調査員の答えはノー。申請を取り下げた。

 「認証されたら、1時間長く営業できたのに」

    ◇   ◇

 認証制度は7月16日に始まった。「飲食時以外はマスク着用を周知する」などの基準が40項目あり、県が委託した民間企業が調査する。

 今月13日時点で約1万4900店から申請があり、55%が認証された。ただ、県内には約3万店あるとされ、認証済みは3割弱にとどまる。

 あな特には他にも「申請から調査まで約2カ月かかった」などの疑問の声が寄せられている。冒頭の店の事例では、県は取材に「手袋着用の項目はなく、不勉強な調査員だったかもしれない」と釈明した。

 県は、当初50人だった調査員を約200人まで増やして対応を強化。担当者は「調査員の判断にばらつきがあれば、指導を徹底していきたい」と話す。

    ◇   ◇

 県は認証店を増やすことで、第6波の急拡大の波をできるだけ小さくしたいと考える。感染拡大となった場合、県は再び時短要請する可能性があり、認証店には営業時間を長くする措置があり得るという。「質を確保しながら、認証店の数を増やしていきたい」(担当者)。

 11日に再申請した久留米市の飲食店。従業員は「商工会議所からも促され、しっかり対策していることを示したい」と話す。

 せっかくの認証も取りっぱなしでは意味がない。県は申請の認証作業が一段落すれば、対策が継続して行われているかを確認するために巡回する方針だ。「認証店でも対策が緩い店がある」。こう打ち明ける飲食店関係者もいる。 (竹中謙輔)

第6波抑制へ個人の対策継続を

 自治医科大の中村好一教授(公衆衛生学)の話 行政や飲食店が積極的に感染対策を講じることは重要だが、リスクがゼロになるわけではない。感染防止認証店だからと気を緩めれば、感染拡大を招きかねない。食事中も会話する時はマスクを着けるなど、これまでの対策は継続するべきだ。ワクチンを接種したから大丈夫と考えるのも危険。接種後も感染したり感染させたりする恐れはある。第6波を最小限に抑えるため、対策の基本は個人にあることをあらためて認識してほしい。

福岡県の天気予報

PR

開催中

初めての俳句教室

  • 10月7日(木)、11月4日(木)、12月2日(木)
  • 耳納市民センター多目的棟

PR