組織フル回転の最激戦・福岡2区 つかめぬ都心の「風」はどこへ吹く

 約4年ぶりとなる衆院選が19日公示される。九州最激戦区として注目を集める福岡2区では、与野党の前職が4度目の直接対決に臨む。無党派層が多く、3年で有権者の3~4割が入れ替わるともいわれる都市型選挙区。両陣営はつかめぬ「風」に神経をとがらせながら、支持拡大に奔走している。

 「コロナ対策を前進させるため福岡2区の議席を与えていただきたい」

 17日午後。立憲民主前職の稲富修二氏(51)が福岡市・天神で声を張り上げた。市内の立民候補が集まった街頭演説会。枝野幸男代表や最大の支援組織、連合福岡の会長も駆け付けた。

 稲富氏は2012年、14年、17年と、総選挙で自民前職の鬼木誠氏(49)に3連敗中。徐々に票差を縮め前回は比例復活したが、「小選挙区4連敗は許されない」(陣営関係者)と不退転の決意で挑む。

 稲富氏は、地域をくまなく回る「どぶ板」を徹底。自民支持の企業団体への切り崩しも図り、「風」に左右されない地力の醸成に努めてきた。

 前回選挙は約8千票差で涙をのんだ。今回は、前回1万7千票余りの得票だった共産党が擁立を見送った分、稲富氏が有利と見る向きもあるが、各党などによるここ数回の情勢調査では鬼木氏と一進一退。幅広い支持を得るため「立民色」を薄めることにも腐心してきたが、この日は枝野氏とグータッチも交わした。「党や支援団体を挙げた総力戦だ」(陣営関係者)

 一方の鬼木氏は17日夕、天神で開かれた新たな支援組織の集会に出席。防衛副大臣就任が紹介されると、会場を埋めた約200人から大きな拍手が起こった。

 支援組織は、九州電力の松尾新吾特別顧問と日本医師会の横倉義武名誉会長が共同代表を務める。「情勢の厳しさから急きょ立ち上げた」(関係者)という。

 鬼木氏は4月、各種の後援会を束ねる後援会連合会を初めて発足させた。会長には九電グループの社長が就任。支持基盤の拡大を急いでおり、ある九電社員は「社内外から鬼木氏支援をお願いされる」と明かす。

 投開票日まで残り2週間だが、「風向きは全然読めない」(自民県議)。鬼木氏はこの日の集会で声を詰まらせて頭を下げた。「国会に戻って防衛副大臣を全うさせてください」

 日本維新の会新人の新開崇司氏(50)は特定の支援組織に頼らない「しがらみのない政治」を掲げる。17日の街頭演説では「若い人が安心して結婚、出産し、挑戦できる新しい日本をつくる」と訴えた。 (小川俊一、野間あり葉、華山哲幸)

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