「応援が力」北九州で世界体操開幕 ワクチン証明で観客上限設けず

 体操の世界選手権(西日本新聞社など協賛)は18日、北九州市立総合体育館で開幕して女子予選7班までを終了し、日本勢は種目別の床運動で東京五輪銅メダルの村上茉愛(日体ク)が14・166点で暫定1位となった。女子予選は10班に分かれ、8~10班を19日に実施する。新型コロナウイルスのワクチン接種証明などを使った政府の行動制限緩和に関する実証実験の対象となっており、観客数の上限を設けていない。初日は1816人が入場した。

村上暫定1位「これこそが試合」

 H難度のシリバス(後方抱え込み2回宙返り2回ひねり)を成功させて起きた拍手が、次第に手拍子へと変わった。「応援の力に助けられた。これこそが試合。五輪のお客さんがいなかった違和感から解放された」。得意の床運動で暫定首位の14・166点。東京五輪で銅メダルを獲得した種目別決勝と同じ得点だが、村上はスコア以上の充実を感じていた。

 五輪後に燃え尽きかけ、5日の練習で左足首を負傷。大会直前も満足に練習できず予選落ちを覚悟した。「20年以上体操を続けた経験だけを信じた」という日本女子のエースにとって、手拍子は何よりの原動力。演技終盤の後方屈伸2回宙返りで完璧に着地を決め「目標とする、人に感動してもらえる演技ができた」と左拳を握りしめた。

 五輪で家族やファンに生で見せられなかった演技を見てもらうために出場した。会場で観戦した母の英子さんが涙を流していたのを知り「まだ早いけど、心配しなくていい演技はできたかな」と笑みを浮かべた。暫定7位の平均台も含め、24日の種目別決勝は現役最後の演技になる可能性がある。「メダルを狙う1択」と有終の美を誓った。

 (末継智章)

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