コロナ、安保、原発…候補者が語ったこと、語らなかったワケ

 約4年ぶりの衆院選が19日公示され、12日間の論戦の幕が開けた。新型コロナウイルス下で行われる初の大型国政選挙。感染の「第6波」にどう備え、傷ついた経済をどう立て直すのか。与野党が打ち出すコロナ対策に注目は集まるが、「基地の街」や「原発の街」を抱える九州では、安全保障政策やエネルギー政策への関心も高い。かつてないほどに政治不信が高まる中、有権者は政策の「真贋(しんがん)」を見極めようと、候補者の訴えに耳を傾けた。

コロナ対策…各党こぞって公約の柱

 新型コロナウイルス対策は重要争点の一つ。各党ともこぞって公約の柱に据えた。

 自民は、感染対策と経済活動の両立を図ろうとの立場だ。大分3区の自民前職は「年内に飲み薬の承認をし、普及させる。病床の提供体制も充実させていく」と強調。一方で「観光業、飲食業、たくさんの事業者が影響を受けている。選挙が終われば大型の補正予算を組んで、支援策を実行していく」と訴えた。

 福岡4区の自民前職は「世界に類を見ないスピードで国民のワクチン接種が進んだ」と前政権からの実績をアピール。「われわれが次にやらなければいけないのは、経済対策をしっかりすることだ」と力説した。

 野党側は、政府のコロナ対応の遅れによって救えた人命が失われ、生活苦に陥っている人も増えたとして、政策の転換を唱える。

 長崎3区の立民新人は「補償のない自粛要請をあと何度繰り返せばいいのか。この国のコロナ対策、一緒に変えていきましょう」。福岡1区の共産新人は「自民、公明のコロナ対策は後手後手に回り、逆走を繰り返している。こんな政治はもう終わりにしよう」と批判のボルテージを上げた。

安全保障…基地の街、論戦低調

 安全保障政策では、自民は保守層を強く意識し、公約に敵基地攻撃能力を念頭に置いた文言を明記した。

 選挙区内に陸上自衛隊日出生台演習場がある大分2区の自民前職は「安全保障も非常に大事だが、一番大事な生活の根幹は賃金だ」と演説の大半を経済政策に費やした。対する立民前職も第一声では触れずじまい。米海軍佐世保基地がある長崎4区の候補者たちも、第一声でほぼ安全保障政策には言及せず、論戦は低調なスタートとなった。

 自衛隊基地建設の計画が進む馬毛島を抱える鹿児島4区の自民前職は「場所を決めたのは民主党政権だが、国の信用のためにやり遂げる」と強調。福岡9区の共産元職は「九州沖縄の基地強化は戦場にする前提だ」と反発した。

 長崎1区の共産新人は、核兵器禁止条約への批准に踏み込まない岸田文雄首相に対して「米国の言いなりのままだ」と批判した。

原発…「論点にしないのが正解だ」

 九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)が立地する佐賀2区。3、4号機は2018年に再稼働しており、自民前職は「安全が確認された原発はしっかり稼働させていく」と主張。玄海原発から半径30キロ圏の地域を抱える福岡3区の立民前職は「原発事故はこれからも起きる可能性は高い。危ないエネルギー政策をやめる選択の機会だ」と訴えた。

 ただ、九州の候補者で原発政策に触れたのはごくわずかだ。佐賀2区の立民前職はこの日、玄海町を選挙カーで回ったものの、第一声で原発政策に触れなかった。陣営関係者は「保守層を取り込むには論点にしないのが正解だ」と話す。

 老朽化などの課題を抱える川内原発(鹿児島県薩摩川内市)がある鹿児島3区でも、議論が深まる気配はない。立民元職の陣営関係者は「電力関連の支援者もいる。陣営幹部から原発問題に触れないようくぎを刺された」と明かした。

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