心身両面で投手の「怪物」 西日本スポーツ評論家 秋山 幸二氏

 プロで数多くの投手と対戦させてもらったが、高校から鳴り物入りで入団して1年目からあれほどの活躍をした投手はあまりいなかった。「怪物」のニックネームがふさわしいスーパースター。長いリハビリは本当に大変だったと思う。お疲れさま、と伝えたい。

 強くなったホークスに立ちふさがった全盛期に対戦した。背はそれほど高くないものの、投げっぷりが良く、バットが押し込まれるような「球の強さ」があった。何よりすごかったのは、打者に強気で向かっていく姿勢。心身両面で投手に必要なものを持っていた。

 福岡移転後の初優勝を果たした1999年の9月に死球を受けて頬を骨折した。外角低めの直球を予想して少し踏み込んだところに、球が抜けてきて当たった。大輔は力むと右打者の高めに抜けてくる情報は持っていたんだけどね。本人には「気にするな」と伝えた。

 実はその時に「おまえのグラブもくれよ」と言い添えた。試合前に大輔が欲しがっていた私のグラブをあげたばかり。もちろんお返しのグラブはもらったよ。後日、私の打撃練習の打球が、登板日でウオーミングアップ中だった大輔の背中に当たったらしい。笑い話で本人が聞かせてくれた。

 日本で活躍して、米大リーグでも頑張ることができた。西武復帰後は同学年の和田(毅)との投げ合いも見たかったが、けがも経験の一つ。そこから新しい部分もつくれたのではないか。これから若い人を育てるために、全てを生かしてほしい。

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