少ない女性候補 工夫も努力もまだ足りぬ

 政治分野の男女共同参画推進法の施行から3年も過ぎて実施される初の総選挙としては、あまりに寂しい数字である。

 今回の衆院選の候補者に占める女性の比率は2割に満たず、2017年の前回からほぼ横ばいだ。女性候補者が5割を超えたのは社民党だけだ。共産党は3割を超えたが、公約で議会の男女同数を目標に掲げた野党第1党の立憲民主党は2割に届かなかった。与党の自民、公明両党はいずれも1割以下だった。

 候補者数をできる限り男女均等にするよう求めた推進法の努力義務に、各党が真剣に取り組んだ結果とは到底言えまい。

 国会議員の多くは男性で、前職を候補者として優先するほど女性の擁立が難しくなる事情はある。ならば、比例代表の枠を有効に使うことも選択肢となるはずだ。無論、長期的視野に立ち女性の人材発掘に積極的に力を入れることも欠かせない。結局、工夫も努力もまだまだ足りないのが現状ということだ。

 政党には「女性の応募が少ない」との声がある。だが政治から女性を遠ざけるさまざまな壁の存在を、政党の側が直視しなければ現状は変わらない。

 「家事・育児は女性の役割」という社会通念がまだある。古くさいと笑って済ませるわけにはいかぬほど根強いものだ。

 内閣府の調査で、女性が国会や地方議会の選挙に立候補を断念した理由は「当選した場合、家庭生活(家事・育児など)との両立が難しい」が4割を超えた。「性別の差別やセクハラを受けた」との回答も2割以上あり、ともに男性よりも高い。

 当選した女性は議員活動の中で「政治は男性が行うものだという周囲の考え」に難渋し、家庭生活との両立の困難さ、セクハラにも苦しんでいる。「通称(旧姓を含む)を使用できない」点も悩みの種だ。

 こうした壁に苦しむ女性は政治分野に限らない。

 「女性活躍」推進を政府が掲げるようになって久しいが、活躍の場はなかなか広がらない。世界経済フォーラムが公表する男女格差報告(ジェンダー・ギャップ指数)でも、日本は低迷から抜けられない。

 男性中心の議員の構成は国から地方まで変わらない。女性がいない議会もある。企業や自治体の管理職における女性比率も依然低い。自治会など暮らしに身近な団体の長も男性が多い。

 社会を広く覆う男性中心主義をいかに打破し、共同参画を進めるのか。各党には「ジェンダー平等」といった聞こえのいいアピールにとどまらず、中身を伴った論戦を求めたい。

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