「責任押し付けられる」郵便局長会に渦巻く不安 カレンダー問題、幹部なお沈黙

 全国の郵便局長が日本郵便の経費で購入されたカレンダーを参院議員の後援会員らに配布した問題を巡り、小規模局の局長約1万9千人でつくる全国郵便局長会(全特)で、上層部への不信感が高まっている。局長らは地区役員の指示を受けて配ったとされ、「経費で購入されたと知らなかった」と話す局長もいる一方で、全特役員らは内部でも説明せずに沈黙する。問題に関する意見が書き込まれた局長専用サイトの掲示板は突然閉鎖。「末端に責任が押しつけられるのでは」と不安が渦巻いている。

 「現場の声を封じ込めるつもりなのか」。東北地方の局長は19日、全特が運営する会員専用サイト「全特NET」の掲示板が閉鎖されていることに気付いた。

 問題が報じられて以降、掲示板では「局長会は会員を守らない」「ガバナンスが感じられない会社と局長会」など匿名の書き込みが目立つようになっていたという。サイトは閉鎖理由を「書き込み内容がツイッターに投稿されるなどの行為が確認された」とした。

 関東地方の局長は2019年と20年、局長約100人で構成する地区局長会の会長から直接、「カレンダーを持って後援会名簿の全員にあいさつに行くように」と指示された。地区会長は、人事評価の権限を持つ統括局長を務めており「逆らえない」。全特が擁立した自民党参院議員の後援会員に配り、配布部数を報告した。

 購入手続きは約10局を束ねる担当局長が行い、経費が使われたことは知らなかったという。問題発覚後、地区会長から説明は一切なく「現場が勝手にやったとされるのではないか」と話した。

 日本郵便は、経費で購入した物品を政治活動に使うのは社内規定違反に当たるとして、調査を開始。全国約240人の統括局長に、指示の有無などの聞き取りを進めているという。内部資料などによると、カレンダーは19、20年に計約400万部が購入され、6億円超の経費が使われたとみられる。全特は取材に「答えられない」とコメントしている。

 (宮崎拓朗)

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