ワクチン効果、揺れる米 接種済みのパウエル氏死去 懐疑派は勢い「うそつかれた」

 【ワシントン金子渡】新型コロナウイルスのワクチンを接種済みだったパウエル元米国務長官がコロナ感染による合併症で死亡したことを受け、保守系議員やメディアからワクチン効果を疑問視する発言が相次いでいる。パウエル氏はがんと高齢による免疫力低下でワクチン接種しても罹患(りかん)しやすい状態だったが、ワクチン懐疑派にとって格好の攻撃材料となっている。

 「ワクチンは一部の人にとって非常に有用かもしれないが、全体の解決策にはならない」。パウエル氏が死去した18日、保守系フォックスニュースの名物司会者タッカー・カールソン氏は自身の番組でこう述べ、ワクチン効果に関して「うそをつかれた」と訴えた。

 新型コロナの影響に否定的な共和党のマット・ゲッツ下院議員も、パウエル氏が国務長官時代に始めたイラク戦争を例に挙げて「接種後のブレークスルー感染は、イラク戦争より多くの人を殺している」とツイッターに書き込んだ。

 世界最悪のコロナ禍からの脱却を急ぐバイデン政権は、政府機関や民間企業にワクチン接種を義務化。「コロナに対する唯一の有効策」として国民に広く接種を呼び掛けているが、19日現在の接種率は全人口の57%にとどまる。

 接種の義務化については共和党が強く反対しており、同党が議会多数派の州を中心に反発が広がる。テキサス州知事が民間企業や団体に義務化を禁止する命令を出したほか、モンタナ州議会は義務化禁止の法案を可決。他の州でも対抗する動きが相次ぐ。

 こうした状況に危機感を強めるバイデン大統領は18日、記者団に対し「パウエル氏には深刻な基礎疾患があった。それが問題だった」と言及した上で「国民は絶対にワクチンを接種すべきだ」と指摘。ホワイトハウスのサキ報道官も同日の記者会見で「完全にワクチンを接種した人が死亡したり、入院したりするケースは極めてまれだ」と強調した。

 パウエル氏をよく知る共和党関係者はワシントン・ポストに「彼はワクチン批判者を許せなかった。彼の死が科学や健康を弱めるために利用されたとしたら、それは悲劇だ」と語った。

 現在、米国の新規感染者数は減少傾向にあるが、1日平均8万5千件超と依然として高い水準にある。ファウチ国立アレルギー感染症研究所長は「いまだ多くの国民が未接種であり、再流行の可能性がある」と警告している。

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