積極的につながる?ブロック多用? 政治家のSNSの使い方

 <お困りのようですが、大丈夫ですか。力になります>

 1月初旬、福岡市の50代男性はスマートフォンに届いたダイレクトメッセージの送り主に驚いた。九州選出の国会議員、大臣経験者だ。「まさか、議員さんから直接もらうなんて」

 国の新型コロナウイルス対策の持続化給付金を申請したのは4カ月前。生業にしているイベントや展示会の会場設営の仕事はゼロ。コールセンターに問い合わせても「審査中」「お待ちください」を繰り返すばかり。窮状を訴えるツイート(つぶやき)が目に留まったようだった。

 <所管の中小企業庁に伝えます>。そう告げられてから数日後、給付金の100万円が振り込まれた。男性は「昔なら、コネでもない限りあり得なかった。命を絶っていたかもしれない」とかみしめる。

 議員本人は取材に「発信される情報の精査は必要」としつつ、「SOSがすぐに届く。『つながるツール』として役割は大きい」と、ツイッターなど会員制交流サイト(SNS)の有用性を説く。受給が実現したのは男性だけではないという。

 追い詰められた人を助ける行動は好プレーに違いない。ただ、「つながる人」だけが救われるのであれば不公平感が否めない。審査が滞る事務処理に問題があるのなら、そこを改善しなければ解決しない。

 中小企業庁の担当は「国会などでの指摘を受け、増員や人員配置の見直しで給付の迅速化に取り組んだ」と改善内容を説明する。特定の個人を優遇することはあり得ない、というのが彼らの「見解」だ。

      ◇

 コロナ禍での移動の制限を背景として、以前にも増して需要が高まったSNSは政治家の別の顔もあぶり出す。沖縄県名護市のノンフィクションライター渡瀬夏彦さん(62)は、ある国会議員のツイッターから一方的にやりとりを制限される「ブロック」を受けた。

 心当たりがあるのは、北海道で起きた米軍機の低空飛行問題に関する自身の投稿。その議員が「(低空飛行を)やめさせなければいけない」と発言したことを報道で知り、皮肉を込めてこう記した。「まずは、沖縄や奄美で常態化している異常な低空飛行を、即刻!という話ですよね」。その後、フォローしていたアカウントが見られなくなった。

 当時、その議員は防衛大臣。「政治家、人としていかがなものか」と、議員の姿勢に疑問を呈する。

 批判的なツイートや書き込みをチェックし、ブロックを多用する政治家もいるという。前出の議員からブロックされた経験がある東京都のフリーライター畠山理仁(みちよし)さん(48)は指摘する。「政治家が独善に陥らないためには批判も大切な情報。遮断する権利はあると思うが、そこに労力を使うのは前向きではない」

 都合のいい話ばかりを聞いていては、「裸の王様」になりかねない。アンデルセンも、そう言っている。

 (梅沢平、野村創)

福岡県の天気予報

PR

PR